はじめに
この記事では、子どもの近視を防ぐための予防と対策について解説していきます。 「ゲームやタブレットの使用で、子どもが近視になっていないか心配」 「子どもが近視にならないためにはどんなことをしたら良いの?」 など不安を抱えている方は、ぜひご覧になってください。
子どもの近視は、少しの心がけだけで予防することができるんですよ。
この記事は、以下の内容について解説していきます。
- 子どもの近視を防ぐための予防と対策
- 近視の原因
- 近視になってしまったら?
この記事を最後まで読んでいただくと、近視を予防することはもちろん、近視がこれ以上進まないための対策についても知ることができます。
子どもの将来のためにも、近視予防に努めていきたいですよね。 それでは、予防と対策から解説していきます。
子どもの近視を防ぐための予防と対策
子どもの近視を防ぐためにできることは、以下の4点です。
- 1日2時間の外遊び
- デジタル端末(ゲーム、タブレットなど)を見るときのルールを決める
- 規則正しい生活を心がける
- 早期発見に努める
それでは、ひとつずつ解説していきます。
1日2時間の外遊び
近視を防ぐために、まず実践してほしいことは、1日2時間の外遊びです。 外遊びが近視の予防に良い理由は、太陽光にあります。 太陽光の中でも、「バイオレットライト」という光がキーを握ってきます。
バイオレットライトとは、簡単にいうと、太陽光の中にある紫色の光です。 太陽光には、紫外線や赤外線などありますが、その中でもバイオレットライトという光は近視の進行を抑制するといわれています。 バイオレットライトは、「眼軸」の伸びを抑制する働きがあるんです。
近視が進む理由として、眼軸の伸びがあげられます。 なぜ眼軸が伸びると、近視になってしまうのか。 眼軸が伸びると、焦点を網膜上に結ぶことができなくなってしまいます。 ものは、網膜というフィルムでピントの調節などを行っていますので、網膜を通らないと、ものを正確に捉えることができません。 その結果、ピントが合わず、ものがぼやけて見えてしまう「近視」の状態になってしまうのです。
外遊びといっても、太陽光がジリジリと照りつける中、毎日かけ回るのは大変ですよね。 熱中症や日焼けも気になります。 安心してください。 バイオレットライトの恩恵は、日陰で過ごしていても受けられますよ。 しかし、バイオレットライトは、窓越しに浴びてもその恩恵を受けることができませんので注意が必要です。 外に出ていることが重要です。
デジタル端末を見るときはルールを決める
スマホやテレビゲームなど、現代社会の子ども達の周りには、デジタル端末はいつもそばにある必需品ですよね。
しかし、近視を予防するためには、デジタル端末使用時にはルールを設ける必要があります。
具体的には、以下の点に注意してほしいです。
- 画面は30cm以上離す
- 30分使用したら1度目を休ませる
- 正しい姿勢で使用する
- 使用持続時間は1日30~60分とする
- できる限り毎日は使用しない
- 続けて使用したい場合は、1時間使用につき10分は間をあける
以上の内容について、子をもつ親なら、 「わかってはいるけど、毎日はなかなかむずかしい。」 「何回言っても、直らないからイヤになっちゃう。」 などと思いますよね。
すべて完璧にこなそうと思うと親も疲弊してしまいます。 できるところから、ひとつずつ実践してみてください。
規則正しい生活を心がける
近視は、規則正しい生活を送ることでも予防できます。 夜寝る時間が遅く、睡眠時間が短いと、疲れた眼を回復する時間も短くなります。 疲れた眼のままでいると、近視が進行しやすくなることも。 また、遅くまで起きてゲームなどをしている場合は要注意です。 日中よりも暗い環境で行うことが多いため、近視が進む可能性が高くなります。
早期発見に努める
子どもの近視を進行させないためには、早期発見も重要となってきます。 近視の場合、遠くのものが見えずらいので、よく見ようとする場合、眼を細めますよね。 眼を細めるクセがついてしまうと、近視が進行しやすくなることもあります。 子どもの様子で、「なにかおかしいな」と思ったら、すぐに眼科を受診することをおすすめします。 早期に治療することで、近視の進行を抑えることができます。
近視の原因とは
近視になる原因は、2つあります。 「遺伝的要因」と「環境的要因」です。 原因を知ることで、予防できることもあるかもしれませんよね。 それでは、ひとつずつ解説していきます。
遺伝的要因
遺伝的要因は、両親から受け継いだ情報によって発生するか否かが決定します。 よって、両親とも近視であった場合、近視になる確率はあがることになります。 両親とも近視であった場合は、約5倍の確率で。 片親が近視であった場合は、約2倍の確率で近視の確率があがります。
環境的要因
環境的要因は、生きていく中でどのような行動を取ったかで発生するか否かが決定します。 前述したように、デジタル端末に触れる機会が多く、近くでものを見てしまう・長時間使用するなどが関係することも。 紹介した近視を防ぐための方法を実践することで、進行を抑えられる可能性もあります。 「我が家の子どもは、近視になる可能性が高いかも…。」 と不安のある方は、ぜひ実践してみてください。
子どもは近視が進みやすい
年齢が低い内に近視になると、進行しやすいと言われています。 子どものうちは、身体のさまざまな場所が発達の途中です。 眼の成長もまた、発達過程であり、身体の成長とともに発育していきます。 近視になりやすい環境にいると、「眼軸」の長さが伸びていき、近視の進行は20代後半まで続くと言われています。 悲しいことに、近視は一度なると治ることはありません。 一度なると、あとはどんどん進行していくだけになのです。 大人になっても眼が健康でいるためには、子どものうちから進行を抑制することが大事になってきます。
近視になってしまったら
「もう眼が悪くなってるみたい」 「進行しないためにはどんなことをすると良いの?」 という方もいると思います。
近視がこれ以上進まないための対策について紹介していきます。
具体的には、以下の3点です。
- 眼科へ受診
- 度の合っためがねを使用する
- 目に良い食品の摂取
ひとつずつ紹介していきます。
眼科へ受診
まず、近視を疑ったら眼科に受診することをおすすめします。
眼科では、主に以下3点の治療を行います。
- 低濃度アトロピン点眼での近視抑制
- 特殊なめがねやコンタクトでの近視抑制
- オルソケラトロジーレンズでの矯正
眼科で上記3点のような治療をしますが、近視が治るわけではありません。 主に行っていることは、近視の進行抑制です。
度の合っためがねを使用する
近視に気づいたら、正しい視力を測り、度の合っためがねを着用することが大事です。 前述しましたが、近視を放っておくと、眼を細めて遠くのものを見るようになります。 その結果、眼精疲労となったり、近視が進行してしまう場合もあります。 子どものうちは、うまく伝えられないこともあるため、正しく検査することがむずかしい状況もあります。 度の合っためがねを作るためにも、病院で検査することが望ましいでしょう。
目に良い食品の摂取
近視の進行を抑制する食品成分もあります。
- クロセチン
- ルテイン
- アントシアニン
の3つです。
「ルテイン」や「アントシアニン」は、メディアなどで知っている方も多いかと思います。 「クロセチン」については、初見の方も多いと思うので解説していきます。
「クロセチン」はサフランやクチナシに含まれている食品成分です。 この成分ですが、近視進行抑制に効果があるとされています。 サフランやクチナシを含んでいる料理といってもすぐには思い浮かばないですよね。
子どもでも抵抗なく摂取できる例としては、以下のような料理があります。
サフラン:ピラフ・パエリア クチナシ:くりきんとん・クチナシごはん
また、クチナシは染料として使われることが多いため、意外と身近なお菓子の中に着色料として含まれていることもありますよ。
まとめ
今回は、子どもの近視を防ぐための予防や対策について解説していきました。
近視を防ぐための予防と対策は、以下の4点です。
- 1日2時間の外遊び
- デジタル端末を見るときはルールを決める
- 規則正しい生活を心がける
- 早期発見に努める
近視の原因は、遺伝的要因と環境的要因があります。 子どものうちに近視になると進行が早いため、環境的要因を少しでも減らし、予防しておくことが大事です。
近視になってしまった場合、進行を抑制するための対策は以下の3点です。
- 眼科へ受診
- 度の合っためがねを使用する
- 目に良い食品の摂取
子どもの近視は、少しの心がけで進行を予防・抑制することができます。 しかし、今回紹介した対策を毎日欠かさず行うのは大変ですよね。 もちろん、すべてを完璧にこなせる人はいません。 まずは、休日の30分だけ、気分転換に家族で外遊びをするところからはじめてみるのはいかがでしょう。