ストレスも原因?子どもの心因性の目の問題とは
ストレスからくる子どもの目の問題とは
子どもは時に心の問題により視力が出づらくなることがあります。
それは心因性視能障害の症状の一つで、原因はストレスなど様々です。
この記事では、心因性視力障害について詳しく解説していきます。
心因性視能障害とは
心因性視能障害は、精神的葛藤・欲求不満・心理的ストレスなどのために、眼に器質的疾患がないにも関わらず、視力・視野などの視機能が障害されている状態 1)です。
発症は7歳~12歳の女児に多く、男児の約2倍と言われています。
仮病と思われるかもしれませんが、本人は本当に視力が出ないと思い込んでいることがこの病気の特徴で、決して嘘をついて視力が出ないわけではありません。
普段は良く見えていても、一時的に見えづらさを訴えたり、視力検査をすると見えなくなってしまうこともあります。
参考文献1)丸尾敏夫 他.視能学.第2版,文光堂,2011,507,437
ストレスが原因?
心因性視能障害の診断
視能学第2版によると、視力が十分に矯正できない場合、眼科一般検査を行い、屈折異常・弱視および器質疾患を除外する1)とあります。
他に眼の病気が何もないことが前提となります。
単純に視力検査を行うと視力が出ないのに、検査を繰り返して特殊なテクニックを用いていくと、最終的にはレンズ度数がほとんど入っていない状態で視力が改善することがあります。
治療法とは
原因となっている心理的ストレスを取り除くことが治療となります。
眼の異常ではなく、心に何かしらの問題を抱えているのだと言うことを受け止めてあげることが大切です。
ちょっとした環境の変化ですんなり視力が出るようになることもあります。
症状の改善を認めない場合は心療内科や(小児)精神科の受診が必要となることがあります。
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【実際の臨床現場では】
実際に眼科で勤務していると、心因性視能障害と考えられるお子さんの来院は珍しくありません。
視力検査を担当する視能訓練士は、眼科医の指示のもとでこうしたケースには特に「検査時にプレッシャーを与えない」など配慮しながら特殊な検査テクニックを駆使して対応しています。
「目は心の窓」と言いますが、それをとても強く実感する事例の一つです。
まとめ
心因性視能障害は一時的な視力低下のため、誤解されやすいですが仮病ではなく、患児本人は見えづらさを感じているのです。
第一の治療である心理ストレスを取り除くためには家族を含めた周囲の人々の理解と協力が必要です。
参考資料
1)心因性視覚障害 | 日本弱視斜視学会 (jasa-web.jp)<R3年9月21日閲覧>
この記事を監修した人
岸川亜洲香(きしかわあすか)視能訓練士
熊本県出身 福岡国際医療福祉学院(現:福岡国際医療福祉大学)卒業
卒後、福岡市立こども病院眼科に入職。尊敬する視能訓練士平良さんから小児眼科を学ぶ。その後眼科クリニックにて小児眼科の経験を積み、出産を機に退職。母親として子育てと仕事を両立し、患者さんや親御さんに寄り添える視能訓練士を目指す。