視力低下や眼精疲労の予防法!「20-20-20」ルールとは?

視力低下や眼精疲労の予防法!「20-20-20」ルールとは?

はじめに

 

新型コロナウイルスの流行に伴い、オンライン授業リモートワークの機会が急増した今、スマホやパソコン、タブレットは生活必需品となっています。

画面と長時間向き合う新生活習慣で心配なのが、視力低下や眼精疲労などの目の違和感。 「最近目が疲れる」「なんだか目が痛くてゴロゴロする」などは誰もが感じる症状ですが、何日も続く場合は注意が必要です。

これからは目を守る習慣も取り入れていかないと、目への負担が増すばかり。

本記事では、視力低下や眼精疲労を予防する「20-20-20」ルールについて解説します。

子どもでも簡単に行えるルールなので、生活に取り入れて目を守ってみてください。

眼精疲労の症状 

デバイスの長時間の利用、暗い環境での作業など、目への負担が大きくなると視力低下をはじめとした症状が見られます。

眼精疲労は休息すればある程度回復する疲れ目とは異なり、身体を休めても目元の疲れが取れず、肩こりや頭痛など身体にも支障が出る状態です。

主な症状は以下の通りです。

目の症状

  • 目が疲れる、重く感じる
  • 目がかすむ、ぼやける
  • 目が痛い
  • まぶたや目のまわりがピクピクする
  • まばたきが増える
  • 目の充血、ドライアイ など

身体の症状

  • 肩や首がこる
  • 頭痛
  • めまい、吐き気
  • 倦怠感

また、最近では意欲の低下やイライラなど心の症状も注目されています。 これらの症状はただ休むだけでは改善しないと言われています。 毎日使う目だからこそ、目の疲れや身体症状で普段から困る場合は、日常生活の改善から対策することが大切です。

「20-20-20」ルールとは

 「20-20-20」ルールとは、パソコンなどの画面の見過ぎによる眼精疲労の予防方法です。

この3つの「20」とは、

①デバイスの画面を「20分」見るごとに

「20秒」以上

「20フィート(約6m)」以上離れた場所や景色を見ることです。

参考文献)

原文 The effects of breaks on digital eye strain, dry eye and binocular vision: Testing the 20-20-20 rule

Cristian Talens-Estarelles et al.Cont Lens Anterior Eye. 2023 Apr.

パソコンやスマートフォンの長時間使用による眼精疲労やドライアイの問題解決の方法の1つとして、米国眼科学会(AAO)はこの20-20-20ルールを推奨しています。

20-20-20ルールは以前から推奨されていましたが、英アストン大学の特殊なソフトウェアを用いた試験参加者の視線の方向をモニタリングした新たな研究で、その有効性が確認されました。

近年デジタルデバイスが急速に普及し、若年者から高齢者まで幅広い年齢層で利用されています。VDT作業は何かしらの現代の仕事や日常生活に欠かせないものになっており、眼精疲労ドライアイを発症する人も急増しています。

参考文献:あたらしい眼科第367号 デジタルデバイスとドライアイP901 坂根由梨 白石敦

VDT作業によるドライアイの発症には第一に瞬目回数の減少が関与していることが指摘されています。人は一般に1分間に15回瞬きをします。しかし、パソコンの画面を見ている時にはその回数が半減すると言われています。

1993年坪田らの報告ではVDT作業は読書などに比べて瞬目回数が減少していること、パソコンの画面が読書等などに比べ上方に位置するため視線の関係で自然と眼が大きく開くようになり、涙の蒸発量が増えドライアイを発症しやすい状態になると発表されています。

Tsubota K Nakamoru K : Dry eyes and video display terminals. N Engl J Med 328:584,1993

それが眼精疲労の原因の一つともされていますが、20秒間、他の物に眼を向けるだけで眼を十分にリラックスさせ、疲れを軽減させることが考えられています。

厚生労働省の目の対策においても、こまめな休憩や1回10~15分程度の休みが推奨されています。1)

なお、画面が小さいスマホやゲーム機器を見続ける場合は、パソコンやタブレットよりも目への負担が大きいため、20分よりも早く小休止を挟むことが望ましいです。

「20秒」以上画面から目線を外して「20フィート」以上遠くを見るというのは、あくまで「目を休ませる」ことが優先。

目の疲れがひどい場合は目元が楽になるまで遠くを見たり、目を閉じたりして見てください。

長時間画面を見ることで、目はピントを合わせ続けるために調節力を酷使し続けます。

また、デバイス画面の凝視は普段よりもまばたきの回数が減り、目の負担も増しやすいと言えます。

 英アストン大学教授のJames Wolffsohn氏は「研究では最先端のソフトウェアを使用したが、スマートフォンのタイマーやリマインダーアプリを活用すれば、誰でも簡単にその効果を再現することできる」と述べています。この研究結果は、英国コンタクトレンズ協会が発行する「Contact Lens & Anterior Eye」に2022年8月10日号に掲載されています。

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生活の工夫も 

ちょっとした生活の工夫も、眼精疲労を予防する項目となり得ます。

タイマーの利用

大事な勉強や打ち合わせ、スマホで楽しい時間を過ごしているとつい集中して時間を忘れがちに。

目を大事にしようといくら気をつけていても時間管理がうまくいかない場合は、タイマーを利用してみましょう。

意識レベル以外に、視覚的・聴覚的に時間を把握できるため、忘れず小休止をとることができます。テレワークで忙しい社会人や、時間の管理がうまくできない子どもは是非試してみてください。

視生活を整える

目への負担を減らし、目の緊張を緩和する方法として、環境を整えることも大切です。 

作業時の室内の明るさも重要で、画面の明るさと室内の明るさの差をなるべく小さくすることも効果的。

パソコンであれば文字を大きく設定することで見やすくなり、ついつい短い距離に近づき過ぎることを回避できます。

目の疲れをとるためには1つの対策では不十分なので、複数の予防行動を意識しましょう。

「Ai/Glasses(エーアイグラス)」1つで眼精疲労の予防が可能

今回紹介した視力低下や眼精疲労の予防法として、「Ai/Glasses(エーアイグラス)」1つで複数視点の予防を行うことができます。

たとえば、アプリと連携することでスマホやパソコンを見る時間を設定し、一定時間を超えたら振動で知らせてくれる時間測定機能。

「20-20-20」ルールを習慣づける手助けになります。

眼精疲労の予防を複数同時に行えるため、眼鏡を変えてみても良いかもしれません。

■大人用こちら、子ども用はこちら

目を守るルールと習慣作りをしよう 

今回紹介した「20-20-20」ルールは、目の使い過ぎを意識的に抑制し、視力低下や眼精疲労を予防するシンプルで気軽な方法です。

①デバイスの画面を「20分」見るごとに

②「20秒」以上

③「20フィート(約6m)」以上離れた場所や景色を見る

スマホやパソコンは現代の必須ツール。使用時間を意識して目を労わっていきましょう。

参考資料

1)厚生労働省(2019)情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて

 

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この記事を監修した人

松井萌珠さん

看護師・視能訓練士(広石眼科医院) / 北九州市出身 2008年看護師免許取得

病院勤務を経て医療法人広石眼科医院入職(現職)。眼科検査の重要性を痛感,勤務しながら九州保健福祉大学で学び2021年視能訓練士免許取得。小児眼科を辰巳貞子先生(小児眼科医)平良美津子先生(視能訓練士)に師事。眼科勤務に邁進しつつ、みるみるプロジェクトアンバサダーとして子どもの眼の啓発活動にも取り組む。

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