姿勢と眼鏡と学力は関係ある⁉【現役視能訓練士が解説】

姿勢と眼鏡と学力は関係ある⁉【現役視能訓練士が解説】

こどもの近視が増えていると指摘されているなか

小児眼科で勤務する視能訓練士の立場から

【姿勢と眼鏡と学力の関係】について

疑問に対してお話しします。

正しい姿勢は適切な眼鏡装用から

近視,遠視,乱視…見えにくさの原因の一つに

これらの屈折異常があります。

(関連記事)近視の見え方って?現役視能訓練士が解説

学習はほとんどの場合着座しておこなうものですが、

“見えにくさ”があると

この座った姿勢が崩れる原因になりますね。

正しい姿勢

集中力の持続,学習能力の発揮に影響を及ぼすことが知られており

姿勢が良いと計算成績の結果が良くなるという

具体的な研究報告もあります。

姿勢と計算成績との関係について 大藤晃義,稲毛達朗,金網正司 日本カイロプラクティック徒手医学会誌 2016年

学校の教室で正しい姿勢をキープするためには、

まず 遠く(黒板の文字など)と 近く(ノートや教科書など)の

どちらもしっかりと認識することのできる

良好な視力が大切です。

眼鏡は、適切な遠方視力近方視力を得るためのツールです。

(関連記事)こども世代のメガネ、かけるべき?【弱視治療用/視力補正用 それぞれ解説】

学校教育で必要な視力は

小中学校で行われる学校健診では視力チェックがあります。

特に遠方視力0.7以下は眼科受診が推奨されています。

つまり学校での学習では0.7以上(遠方視力)が大切という

ことになるのですが、

0.9~1.0の視力が望ましいとする研究もあります。

教室における黒板の文字の見え方の検討― 視力が 0.7 以上あると黒板の文字が見えるのか ―上原 知子, 高橋 清子, 氏間 和仁 日本視能訓練士協会誌2016 年 45 巻 p. 323-329

実際、多くの眼科医は1.0近くの視力が確保できるような

眼鏡処方を行っています。

わたしの勤務する小児眼科でも、1.0近くの視力を目安に

検査/処方しています。

適切な眼鏡装用=学力に影響が

適切な眼鏡装用によって学力が具体的に影響を受けるのか?

研究がそれほど多く存在するわけではありませんが

小学校3年生~7年生(中学1年生)を対象に行われたアメリカの研究では適切な眼鏡を与えられたグループは与えられなかったグループと比較して成績が向上したとの報告があります。

【3年生から7年生の生徒の学業成績に対する、無作為化された介入型の学校ベースの視覚プログラムの効果】Megan E. Collins, MD, MPH, Wilmer Eye Institute, Johns Hopkins University School of Medicine, 600 N Wolfe St, Baltimore, MD 21287 2021;139(10):1104-1114。doi:10.1001/jamaophthalmol.2021.3544

  

眼科受診を勧める理由

わたしは眼や成長に関して「こども」というとき、

0歳児~20歳ぐらいの長い期間を「こども」と総称しています。

心豊かな成長には学習・スポーツ・遊び・人との出会い

全ての経験が大切な糧となります。

特にここまでお話ししてきた学習においては、可能な限り

その子のベストな環境を整えて最大限パフォーマンス発揮させて

あげたいですよね。

その一つとして定期的な眼科受診見えかたチェックをお勧めします。

理由1 こどもならではの特性

こどもにはピントを合わせる能力(調節力)が豊かにあります。

この調節力を考慮しながら行う正確精密な視力測定や眼鏡処方には

眼科での検査が欠かせません。

理由2 両眼視が大切

視力が大切とお話してきましたが、円滑な読み書きには

両目を同時に使いものを立体的に捉える両眼視という能力が大切です。

この両眼視をしっかりと考慮した見えかたチェック/眼鏡処方には

視能訓練士が在籍する眼科受診をお勧めします。

 理由3 変化が激しいことも

こどもの視力や屈折異常は、短期間で急激に変化することがあります。

これは“眼が悪くなった”というよりも身体的な成長が著しいためと

ご理解ください。ネガティブな話ではないのですが、

「定期的な」眼科受診を呼びかける理由はここにあります。

少なくとも年に1回、出来れば半年に1回の見えかたチェック受診は

お勧めしたいところです。

受診の際は、お持ちの眼鏡を必ず持参ください。

 

アイケアクリップは円滑ツール

ここまで、適切な眼鏡装用が良い姿勢の前提となること、

良い姿勢が学習を左右するというお話をお伝えしました。

この良い姿勢が出来ているかのチェックは、学校のほか

ご家庭での声かけもとても大切です。

アイケアクリップは、保護者からの見守りと声かけを

とてもポジティブにするツールです。

スマートフォンで蓄積データが取り込めますので、

「この日はとても良い姿勢だったね!」

「良い姿勢が保てて素晴らしいね♪」

とほめてあげましょう。

ほめたり喜んだりしながら 楽しく円滑な信頼関係のもとで

導いてあげてくださいね。

 

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この記事を書いた人

平良 美津子(たいらみつこ)さん

視能訓練士。北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、一般社団法人みるみるプロジェクトを有志らと共に設立。検査/訓練に立ち会った患児はのべ7万人以上。現在複数の眼科クリニックで勤務。制作を手掛けた弱視治療用管理手帳【みるみる手帳】はキッズデザイン賞受賞。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動に積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。

▷みるみるネットにて視能訓練士平良のみるみる日記 好評連載中

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