視力検査の方法は?~こども向けの意外な工夫も~
視能訓練士の平良です。主に小児眼科で子どもたちの検査を担当しています。
今回は、子どもたちへの意外な?視力検査方法などについてお話ししたいと思います。
保健室のアノ検査だけではない?
「視力検査」というとほとんどの方が ❝あ~アノ検査よね?❞と学校の保健室を連想するのではないでしょうか。
ランドルト環がたくさん並んでいるアレ、「字詰まり視力表」と呼びますが、紙のものと機械式のものがあります。最近では液晶のものも登場しており眼科で広く使用されています。
ですが小児の眼科では0~6歳(小学校未就学児)の子どもに視力検査を受けてもらうことも多く、あの「字詰まり視力表」以外の方法もたくさんあるんです。
年齢に応じて確かめたい項目が異なる
乳幼児は0.2とか0.4とか詳細な視力が測れません。「視力に極端な左右差が無いか」など、大まかにその子の反応を観察(他覚的な検査)することを軸にした検査を行います。
写真は乳幼児にも検査できることが多いグレーティングカード(縞視標)。こんな検査用具を使うこともあります。
子どもひとりひとりの発達をみながら検査しますので一概には言えませんが、2歳ぐらいのときはこんな森実式ドットカードを使うことも。うさぎさんのおめめの位置を指で指し示すことができているかどうかで視力の目安としています。
写真は絵指標。鳥、ちょうちょ、犬、魚の絵を口頭で答えてもらったり、指さしで答えてもらったりして、主に遠見での視力検査になります。
3歳ぐらいになると自覚的な検査にも上手に応答できるようになってきますので、あのランドルト環を使った皆さんのイメージするいわゆる「視力検査」に近いものになってきます。
未就学児は字ひとつ
未就学児にはランドルト環を一つだけ示す「字ひとつ視力表」を使うことが多いです。この世代の子どもは字詰まり視力表ではきちんとした視力が出ないことがあり、私の勤務する眼科では小学校入学ぐらいまでをメドに「字ひとつ」で検査します。
この「環の切れ目の方向を答える」という検査は結構難しい質問ともいえます。そのため「同じように向けてみて!」とハンドルを持たせて検査したりします。
視力には「遠見」「近見」が
検査用具をご覧になって気が付いた方も多いと思いますが…
視力には
▷遠見視力=遠くを見る視力
▷近見視力=近くを見る視力 とがあります。
学校の保健室イメージでは視力=遠く という認識の方が多いでしょう。
しかし豊かな成長にはどちらも大切です。
小児眼科ではどちらも重視し、子どもの豊かな成長を阻害しない見えかたが得られているかを検査していきます。
(関連記事)姿勢と眼鏡と学力は関係ある⁉【現役視能訓練士が解説】
大切にしようね眼科受診
いかがだったでしょうか?
子どもは生まれてから視力が育っていき、6~8歳くらいまでに眼の機能が完成すると言われています。その後も大人になるまでに勉強/スポーツ/遊びなど様々な経験を通じて成長していきます。
この豊かな成長を遂げる大切で長い期間、眼科で「見えかたが良好かな?」と検査することはとても大切なことです。
異常が特になくても「眼のコンディションチェックを受けよう!」と眼科受診することを皆さんにお薦めしています。
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この記事を書いた人
平良 美津子(たいらみつこ)さん
視能訓練士。北九州市出身/大分視能訓練士専門学校卒業。北九州市立若松病院などで勤務後、医療法人大里眼科クリニック(北九州市門司区)勤務、師と仰ぐ辰巳貞子先生のもとで小児眼科を学ぶ。福岡市立こども病院眼科を経て、一般社団法人みるみるプロジェクトを有志らと共に設立。検査/訓練に立ち会った患児はのべ7万人以上。現在複数の眼科クリニックで勤務。制作を手掛けた弱視治療用管理手帳【みるみる手帳】はキッズデザイン賞受賞。後進の視能訓練士育成/異業種交流(弱視就学支援・eスポーツ研究等)/弱視早期発見活動に積極的に関わる。日本視能訓練士協会会員/日本弱視斜視学会会員/一般社団法人みるみるプロジェクト参与/福岡eスポーツリサーチコンソーシアム参画会員。
▷みるみるネットにて視能訓練士平良のみるみる日記 好評連載中