コンタクトレンズの使用で眼科での定期検査の必要性と注意点
私たちの生活に、身近なコンタクトレンズ!たくさんの方が使われていると思います。今回は、正しくコンタクトレンズを使用して頂くために「眼科での定期検査が大切な理由」と「使用上の注意点」についてまとめました。
普段、コンタクトレンズを使われている方やコンタクトの使用を検討されている方は参考にしてみて下さい。
コンタクトレンズの種類
コンタクトレンズには、ソフトコンタクトレンズ(SCL)とハードコンタクト(HCL)があります。現在の主流はSCLです。
両者ともにメリット・デメリットはありますので一概にどちらがよいということはなく、眼科医と相談をしながらレンズの種類を決めていくことになります。
ソフトコンタクト(SCL)とは?
その名の通り、柔らかいタイプのコンタクトレンズです。目にフィットするので、HCLに比べて装用感がよいとされています。
種類は1dayタイプ(1日使い捨て)、2weekタイプ(1枚のレンズを2週間使用する)などから、1ヶ月使用する1monthタイプや1年使用する1yearタイプなどもあります。
基本的には、1daySCLまたは2weekSCLを選択される方が多いです。使用期限が長くなるにつれて、コスト面は安く抑えることができますが、衛生面では劣りますので、しっかり毎日洗浄することが大切です!
ハードコンタクト(HCL)とは?
こちらは、硬いタイプのコンタクトレンズです。
HCLの大きさはかなり小さく、レンズは目の上で動くため、初めて使用される方は異物感(ゴロゴロする)や目の痛みを訴えることも多いです。そのため装用感はSCLよりは劣ります。
また、レンズが硬いため、「外傷時にレンズで目を傷つけるリスク」や装用時にレンズが常にまぶたに当たるため、HCLの長期装用では「眼瞼下垂」を引き起こすことも多いとされています。
HCLのメリットとしては、「乱視に対応できる」「トータルのコストがSCLより安価」などが挙げられます。
乱視が強い方の場合は、眼科医からSCLでなくHCLをすすめられるケースもありますので、冒頭で書かせて頂いたように、SCLとHCLのうち一概にどちらがよいということはありません。
眼科医としっかり相談をしながらレンズの種類を決めていくことになります。
コンタクトレンズは高度管理医療機器に分類
すごく便利で手軽に簡単に使えると思われているコンタクトレンズですが、実は「高度管理医療機器のクラスⅢ」に分類されています!
高度管理医療機器とは、副作用や機能に不具合が生じた場合、人の生命・健康に重大な影響を与えると考えられる医療機器のことで、コンタクトレンズが分類されるクラスⅢは生命・健康へのリスクが高いものとされています。1)
1)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)HP 「医療機器」よりhttps://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0028.html
コンタクトレンズは、目にとってはリスクのあるものということを知って頂き、使用上の注意点を守ったり、定期的な眼科受診をしたりしながら、「安全に使っていくこと」が大切です。
また、日本眼科医会のホームページ内でも「コンタクトレンズ使用者に対して定期的な眼科受診」を促す呼びかけがされています!2)
2)公益財団法人日本眼科医会HP【コンタクトレンズとのお付き合い】よりhttps://www.gankaikai.or.jp/contact-lens/index.html
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使用上の注意点は?
SCLとHCLの使用上の注意点をまとめていきます!
どちらにも共通の注意点は「寝るときは外す」ということです。就寝時はもちろんですが、昼寝などの短い時間でも必ず外すようにしてください。
SCLの注意点
➀レンズの使用期限を守ること!
1daySCLであれば 1日、2weekSCLであれば 2週間、使用期限以上使うことは目のトラブルのもとになりますので、絶対にやめましょう!
たまにある間違いとして、2weekSCLを「2週間分使える」と思われている方がおられますが、「新品のケースを開けてから2週間分」が正しい解釈です!
2weekSCLの新品レンズを2週間のうち2日しか使わなかったとしても、2週間経ったから捨てないといけないということになります。
➁水道水は使わないようにすること!
ソフトコンタクトレンズは、水道水中の汚れ等を吸着しやすいです。水道水の使用が原因で「アカウントアメーバ角膜炎」という怖い病気を引き起こすこともありますのでSCLを濡らす時は必ず専用の液を使いましょう。
HCLの注意点
➀レンズが破損していたら使用を中止する
HCLの使用期限は購入後2~3年と言われていますが、その途中でレンズが破損する可能性はあります。「少し欠けた・割れたけど使えそう」という場合でも、目を傷つける可能性は十分考えられますので、使用を中止して眼科でHCLを再作成してください。
➁激しい運動をする時には注意する
HCLは硬いレンズなので、外傷時にレンズで目の傷つける恐れがあります。可能であればスポーツ時などはSCLを装用するなどの工夫して頂くことをおすすめします。
③長期使用で眼瞼下垂の原因に
HCLの長期装用は眼瞼下垂の原因になることが言われています。HCLは便利な側面もたくさんありますので、眼瞼下垂が心配という方は、眼科医としっかり相談をして、HCLを継続するかSCLや眼鏡に切り替えるかを決めて頂くとよいと思います。
皆さんはどこで購入されていますか?
眼科で発行されたコンタクトレンズの処方箋があれば、基本的にはどこで購入して頂いてもOKです!(眼科併設のコンタクトレンズ店、街中のコンタクトレンズ店、ネットなど)
大切なことは、「眼科で診察・処方箋をもらう」ということになりますので、このルールをしっかり守って安全にコンタクトレンズを使っていきましょう!
【臨床でのお話】SCLは何カ月分買う人が多い?
私は視能訓練士として、眼科で勤務をしています。「SCLを初めて使う場合」や
「種類を替えた場合」などは1ヶ月分で処方箋を発行することもありますが慣れている方は3~6ヶ月分程度の処方箋希望される方が多いです。
【まとめ】定期的な眼科受診を
今回は、コンタクトレンズについてまとめました!
いつもと違い目の症状(充血、メヤニ、痛み)が出た場合には、すぐにコンタクトレンズの使用を中止して、眼科を受診して頂き、医師の診察を受けるようにしてください。
特に症状がないという方でも、3~6ヶ月ごとに定期的な眼科受診をして、眼科でコンタクトレンズの処方箋をもらうようにして頂き、「安全なコンタクトレンズの使用」を心がけましょう!
この記事を書いた人
本武 拓真(ほんたけたくま)さん