近視の中学生の割合はどのくらい?原因や予防、矯正方法は?
子どもの視力が低下していることが社会問題として、取り上げられるようになってきているのをご存知でしょうか。年々視力が低下している子どもの割合が増えているため、対策しなければお子さんも目が悪くなっていってしまうかもしれません。
この記事では、中学生の近視が増えている現状や原因、地域差、予防方法や矯正する方法について、ご紹介します。ぜひこの記事の内容を参考にして、お子さんの視力を守っていきましょう。
年々中学生の近視が増えている
年々中学生の近視が増えているといわれていますが、どの程度増加しているのでしょうか。詳しくみていきましょう。
2021年度では6割程度の中学生が視力1.0未満
文部科学省が発表している学校保健統計調査の結果によると、2021年では視力が1.0未満の中学生は、60.66%となっています。
より詳しくみてみると、中学1年生で57.70%、中学2年生で62.03%、中学3年生で62.25%となっており、年を重ねるごとに割合が増えていることがわかります。
では、過去のデータと比較して、この割合はどの程度なのか気になりますよね。過去の結果と比較していきましょう。
2013年では約51%だった
同じく、学校保健統計調査の結果をみてみると、2013年の結果では51.59%となり、2021年の結果と比較しても10%程度増加していることがわかります。そこまでの結果を表にして、まとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
年度 |
視力1.0未満の中学生の割合 |
2011 |
51.59% |
2014 |
53.04% |
2015 |
54.05% |
2016 |
54.63% |
2017 |
56.33% |
2018 |
56.04% |
2019 |
57.47% |
2020 |
58.29% |
2021 |
60.66% |
中学生の近視が増えている原因は?
なぜ中学生の近視が増えているのでしょうか。その原因を探っていきましょう。近視が増えている主な原因は、下記の2つです。
- 遺伝的に近視となる
- 近業が増えてくる
遺伝的に近視となる
近視には遺伝的要因と環境要因があります。そのうち遺伝的要因で近視になってしまう可能性があります。遺伝的要因とは、親が近視だと子どももそれを受けつぎ禁止になってしまうというものです。
「親がどちらも近視である」「親のどちらかが近視である」「親のどちらも近視ではない」の順番で、子どもが近視になる割合が高いという研究が報告されています。
子どものうちに近視になってしまった親から生まれた子どもは、近視になる可能性が高くなるため、年々近視になる子どもの割合が増えている原因の一つだと考えられています。
近業が増えてくる
中学生になると、小学生のときよりも座学による勉強の時間が増え、塾などにも通いはじめる子どもが多くなります。高校受験や将来のために勉強や読書を頑張る期間とされるため、どうしても近業が増えてしまいます。
近業を継続して行っていると、目の筋肉が凝り固まってしまい、視力が低下してしまいます。はじめは一時的な視力低下ですが、続けていることで禁止となってしまいます。
また、子どもの目は18歳まで成長しています。近業が多いと、目の中の角膜・水晶体の成長と眼球の大きさの成長に差が出てしまい、近視になるとも言われています。
中学生の近視を予防しよう
中学生の近視を予防する方法について、4つご紹介します。
姿勢や環境を整える
近視を予防するためには、姿勢や環境を整えることが重要です。適切な読書やスクリーン作業のポジショニング、正しい椅子や机の高さを保つことで、目への負担を減少させられます。
また、よい照明環境を整えることも大切です。適切な明るさやコントラストのある照明を使用することで、目の疲れを軽減し、視力の健康をサポートします。
スクリーンタイムを制限する
スクリーンタイムを制限することも近視予防の一環です。長時間のスマートフォンやコンピュータの使用は、眼精疲労を引き起こし、近視のリスクを高める可能性があります。
適切な休憩を挟みつつ、スクリーンタイムを管理することで、目への負担を軽減し、近視の進行を防ぐ助けになります。
外で活動時間を増やす
さらに、外での活動時間を増やすことも近視予防に効果的です。屋外での運動や遠くを見ることは、眼筋を鍛え、遠近視調節を促進します。
自然光を浴びることで目の健康によい影響を与えるため、日常的に外で過ごす習慣を持つことが大切です。学校の後や週末などに外で遊ぶ時間を確保することで、近視のリスクを軽減できるでしょう。
定期的に眼科の検診を受ける
近視を予防するために大切な方法の一つに、定期的に眼科の検診を受けることがあります。とくに子どもや若者は成長とともに視力が変化することが多いため、早期に問題を発見し対処することが重要です。
眼科医は専門知識を持っており、適切な検査を通じて視力の変化や症状の兆候を確認できます。定期的な検診によって、近視の初期段階であれば適切な処置やアドバイスを受けられ、進行を遅らせることもできるでしょう。
したがって、視力に関する不安や症状がなくても、定期的な眼科検診を受けることで、予防と早期対応の一環として健康な視力を保つことに役立ちます。
近視を矯正する方法
ここでは、中学生の近視を矯正する方法について、ご紹介します。
メガネやコンタクト
近視を矯正する一般的な方法は、メガネやコンタクトレンズの使用です。適切な度数のメガネやコンタクトレンズを着用することで、屈折異常による視力の歪みを補正し、遠くの物や近くの物をクリアに見れます。
メガネは日常的に装着することが容易で、スタイルやデザインも豊富に用意されています。一方、コンタクトレンズは外見を変えずに自然な視界を提供し、スポーツやアクティブな活動時にも便利です。ただし、正しい使い方や清潔さを保つことが重要です。
オルソケラトロジー
オルソケラトロジーは、特殊な硬性コンタクトレンズを寝る前に装着し、角膜の形状を一時的に変える方法です。
これにより、日中はコンタクトレンズを外していても、一時的に近視を矯正することができます。朝起きたときにレンズを取り外すと、一時的な視力改善が得られます。
ただし、この方法は矯正効果が一時的であるため、定期的な使用が必要でしょう。専門医の指導のもとで行う必要がありますが、とくにスポーツをするなど、コンタクトレンズやメガネの使用が難しい場面で選択肢として検討されます。
視力低下の予防には「アイケアークリップ」が活躍します。姿勢や部屋の明るさなど、視力低下の要因をいち早く察知し、振動で知らせます。近視対策として取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ|中学生の近視の割合は年々増加しているからこそ対策をしていこう
いかがでしたか。この記事では、中学生の近視がふえている現状や原因、地域差、予防方法や矯正する方法について、ご紹介しました。
学校保健統計調査の結果からもわかる通り、中学生の近視の割合は年々増加しています。生活環境や習慣、遺伝的要因など近視になる原因はさまざまです。
予防できるところは予防し、近視になってしまったら適切な方法で矯正して、子どもの視力低下を進めないように対策をとっていきましょう。