雲霧法による視力検査って何!?子どもの近視を早期発見できる?

雲霧法による視力検査って何!?子どもの近視を早期発見できる?

子どもの目が見えにくいとなったら、少しでも早く眼科医に相談し、視力検査を受けさせることが重要です。視力検査には、いろいろな度数のメガネをかけて視力検査表をみたり、赤と緑のどちらが見えるかという色覚検査などがあります。

その中の一つに雲霧法という検査があります。聞き馴染みのない検査方法かもしれませんが、近視・遠視になっているかどうかを検査するために使用されるものです。

この記事では、雲霧法とはどういった検査なのか、他にはどのような視力検査があるのかなどについてご紹介します。


雲霧法とは

雲霧法(うんむほう)とは、あえてピントが合わないように度数を調整したメガネを15〜20分程度かけて、目のピント調節をうまくいかない状態にして、検査する方法です。雲霧法で検査を行うことで、仮性近視や眼の筋肉が緊張することによって見えにくい状態なのかを判断できます。

私たち人間の目には、ピントを合わせる機能を持った毛様体という筋肉が存在しています。近くのものを見るときは、毛様体が緊張して縮み、遠くのものを見るときは弛緩してゆるみます。

子どもたちは学校で勉強をするために、手元の教科書やノートをずっと見ることが多いです。そうすることで毛様体が緊張しすぎてしまい、遠くのものを見るときもゆるまなくなってしまいます。この状態が、仮性近視や調節緊張と言われるものです。

このような状態の目は筋肉の緊張によって引き起こされますが、まだ近視ではありません。ピントの合わないメガネを一定時間かけることで、その緊張を取り除いて本来の目の状態を検査する方法が、雲霧法です。


雲霧法以外にはどんな視力検査がある?

子どもの視力を評価する方法は、雲霧法以外にもさまざまなものがあります。以下にそのいくつかをご紹介します。


ランドルト環

ランドルト環は、検査の際に目の前に提示される環状の模様です。主に色や明暗の違いに基づいて異なる図形や文字が配置されています。子どもがこれらの図形や文字を正確に識別することにより、視力の健全性や欠陥が評価されます。

光の散乱やぼやけなど、視覚に影響を及ぼす問題を発見するために、この方法が用いられるのです。医師は子どもの反応を観察し、彼らの視力状態を正確に把握するためにランドルト環を利用することがあります。


オートレフ測定

オートレフ測定は、オートレフという装置を使用する方法です。子どもはこの装置を通して遠くの文字や図形を見るだけで、目の屈折異常や必要な矯正度数が推定されます。

この方法は、子どもたちにとってストレスの少ない視力検査です。正確な結果を得るための重要なツールとして、診療所や眼科で一般的に利用されています。


レッドグリーンテスト

レッドグリーンテストは、赤と緑の2つの色を使用して視力を評価する手法です。赤緑テストや二色テストとも呼ばれ、赤と緑のどちらがはっきり見えるかで視力を測定します。このテストは、矯正視(メガネやコンタクトを装着した状態)と裸眼の場合で目的が異なるのです。

矯正視の場合、適切な度数のメガネやコンタクトを使用していると、赤と緑の両方がよく見えます。しかし、度数が合っていないと、片方の色だけが鮮明に見える特徴があるのです。たとえば近視の場合、赤の方がクリアに見えるならば、度数が適切か若干上げる必要があり、逆に緑の方がクリアに見えるならば、度数が強すぎることを示唆します。

また、裸眼の状態で完全矯正値(最も遠くが見える度数)を測定する際にも使用されます。このテストは、視力の特定の側面を評価するための貴重な手段であり、専門家によって適切な視力矯正法を決定する際に役立つのです。


Eチャート

Eチャートは、視力検査の際にランドルト環の代わりにアルファベットの「E」のマークを使用する方法です。このチャートはランドルト環と同様に、穴の開いた方向を特定することで視力を判断します。基本的な検査手順はランドルト環と似ており、片目ずつ測定することが一般的です。

しかし、Eチャートでは異なる点もあります。検査を行う位置が異なり、通常は6メートル離れた場所で行います。この違いにより、視力評価がより現実的な条件で行われるのです。子どもたちにとっても理解しやすく、集中して取り組める特徴があります。


スネレン視標

スネレン視標は、検査表に並んだアルファベットを大きな文字から小さな文字へ順に読むことで、視力を評価する方法です。通常11行の文字が表示され、6メートル離れた位置から検査が行われます。これはEチャートと同様のアプローチで、視力検査において一般的に用いられる手法です。

 

子どもが近視だと分かったら親は何をすればいい?

親として、子どもの健康と成長に関心を持つことは素晴らしいことです。子どもの視力について心配しているならば、適切な対策をとっていきましょう。

以下に、子どもの近視に関する対策と注意点をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。


眼科医の検診を定期的に受けさせる

子どもが目を細めていたり、頻繁にこすっているなど、視力が落ちていそうと感じたら、早めに眼科医の診察を受けさせるようにしましょう。視力低下を早期発見できれば、適切な対策を取れます。逆に対応が遅くなってしまうと、その分子どもの視力はどんどん低下してしまいます。

眼科で定期的に検診を受けておくことで、子どもの視力低下にも早く気づけるでしょう。学校での健康診断もあるからと安心している親御さんも多いかもしれませんが、子どもたちの成長や体の変化は早いのです。できるだけ、子どもたちの最新の状態を知っておくことが大切です。


正しいメガネやコンタクトレンズを使用する

もし眼科検診で子どもが近視であることが分かったら、子どもの目の状態に合う適切なメガネやコンタクトレンズを使用しましょう。眼科医にアドバイスをもらって、正確な度数のものを選ぶ必要があります。

正しい度数で視力を矯正することは、学業や日常生活の快適さを向上させるだけでなく、視力低下の進行を抑える助けにもなります。子どもの成長に合わせて定期的に調整するなど、サポートしていきましょう。

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遠くを見る習慣を身につけさせる

子どもの目の健康を守るためには、遠くを見る習慣を身につけさせることが重要です。日常生活において、散歩や公園での遊び、自然散策などがその一例です。遠くを見ることは目の筋肉をリラックスさせ、近視の進行を抑える助けとなります。

実際に、よく外で遊ぶ子どもは室内で遊んでいる子どもと比べて、近視の割合が少ないという研究もあります。もし、外にあまり遊びにいけない場合は、読書やゲームをしている間、20分程度を目安にこまめに休憩をとり、遠くを見る習慣を身につけさせましょう。


スマホやタブレット、ゲーム機を使う時間を制限する

スマホやタブレットでYouTubeなどを見たりゲーム機で遊んだりと、近くでものを見る習慣のある子どもたちが多いです。近くで長時間画面を見ることで、目が疲れてしまい、視力が落ちることに繋がってしまいます。

画面を見る時間は、一般的に1日1時間から2時間程度に抑えることが推奨されています。スマホやタブレット、ゲーム機ではスクリーンタイムを設定でき、使用できる時間の制限も可能です。こういった機能を活用して、子どもたちの目の健康を守っていきましょう。


栄養バランスの取れた食事を摂らせる

子どもの目を健康に保つためには、栄養バランスの取れた食事も大切です。ビタミンAやビタミンC、ルテインなどの栄養素は、目の健康に影響します。それらが含まれているにんじんやほうれん草などの野菜、オレンジなどのフルーツ、鶏肉や魚などのタンパク源を取り入れましょう。

また、色とりどりのフルーツや野菜を摂ることで、抗酸化作用による目の老化防止も促進されます。過度なジャンクフードや糖分摂取には注意し、バランスのとれた食事を子どもに食べさせてあげましょう。

 

まとめ|雲霧法で子どもの視力低下の原因を探って、対策しよう

いかがでしたか。この記事では、雲霧法とはどういった検査なのか、他にはどのような視力検査があるのかなどについてご紹介しました。

雲霧法の他にもさまざまな視力検査があります。それらを組み合わせて、子どもの視力を検査することで、正確に目の状態を判断できます。定期的に眼科で検査を受け、日頃の習慣から視力の低下を予防していきましょう。

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