Q.ブルーライトカットメガネは眼に良いですか?!にお答えします

Q.ブルーライトカットメガネは眼に良いですか?!にお答えします

Q.ブルーライトカットメガネは効果がありますか?

近年、ブルーライトカット対応メガネがたくさん販売されています。

Q.ブルーライトカットメガネは眼に良いですか?

実際に眼科臨床現場では、患者様によく聞かれるご質問です。

ご高齢の方からお子様の保護者まで年代もさまざまで、世代の差を超えて皆さんが関心の高いテーマのようです。

今回は、このご質問にお答えしたいと思います。

 

ブルーライトとは

スマホをみる女性

ブルーライトという言葉を良く耳にしますが改めて用語の意味を解説します。

ブルーライトの概要

眼球の断面図 

引用:https://www.gankaikai.or.jp/health/08/03.html

 

ブルーライトとは太陽光や照明などから出る光の一部の波長を指します。

地球上に降り注ぐ放射線のうち、私たちが「光」として認識できる「可視光線」400800㎚までの波長です。

私たちはモノを見るとき、これらの可視光線を使ってものを見ていています。

参考文献:あたらしい眼科第31巻第2号 ブルーライト問題概論 坪田一男P165

ちょっと難しい説明になってしまいますが…ヒトにとって光は特定の波長により色が違って見えます。

可視光を簡単に表すと、光波長が短い400㎚に近ければ紫外線寄り、光波長が長く800㎚に近ければ赤外線寄りという表現になります。中間辺りの550㎚は緑の光波長の領域となり、最も感度が高いと言われています。

 

この光の波長の中で、ブルーライトの光波長領域は380~500㎚付近の紫外線に近い領域にある可視光線であり、高エネルギー(光は波長が短くなるほどエネルギーが大きい)ということになります。

参考文献:あたらしい眼科第36巻7号 光(波長)と眼 P905 半田知也

ブルーライトは高エネルギーのため紫外線とは別に網膜に障害を与えることが動物実験で確認されています。

参考文献:Narimatsu T , Ozawa Y Miyake S et al :Biological effects of blocking blue and other visible light on the mouse retina. Clin Experiment Ophthalmol 2013,12253.

ブルーライトとはこのように、紫外線のような強いエネルギーを持った青い光のことを指します。

スマートフォン、ゲーム、パソコン、液晶テレビはブルーライト成分の割合が多いと言われています。

ブルーライトの効果

体内時計

こう説明するとブルーライトはとても怖い光のようにも思えますが、一方で私たちの体内時計を整えてくれます。

ブルーライトによって第3の視細胞であるipRGC(内因性光感受性網膜神経節細胞)が刺激され、視交叉上核へシグナルが伝わります。

これによりサーカディアンリズムが決まると言われています。

サーカディアンリズム=地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能

 日中にある程度浴びることで、体内時計が整い夜は良質な睡眠が出来たりするリズムができるわけですね。

日中は外で遊ぶ/外を歩くようにするなどでブルーライトを浴び、夜になったらスマートフォンやパソコン等をなるべく見ないようにすることでサーカディアンリズムを保ちやすくなる、といってよいでしょう。

ブルーライトカットメガネは眼に良いですか?

近年たくさんの「ブルーライトカットメガネ」が販売されています。

そのため眼科でもたくさんの方から

「ブルーライトは眼に悪いんでしょう?」

「ブルーライトカットメガネは眼に良いですか?」

「どれを買ったらよいですか?」

と本当によく聞かれます。

 

2021年日本眼科医会など6団体は連名で

「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」を発表しました。 https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf

 

最新の研究では

▷デジタル端末から出るブルーライトは微弱なため網膜を損傷させるレベルではないこと

▷小児にとって太陽光を充分浴びないことのほうがリスクが高いこと

▷ブルーライトカット眼鏡に眼精疲労を軽減させる効果は全くないと報告されていること

などがわかっています。

 

こうした知見に基づいて、眼の健康や眼精疲労を考えるなら、

まず生活環境に合った適切な眼鏡度数が大切

デジタルデバイスを見るときの距離や姿勢が大切

とお答えしています。

実際に眼精疲労を訴える患者様のなかには、今の眼鏡度数が生活に合っていなかったり、度数が変わっていることに気づかないまま使い続けていたり、デジタルデバイスを見ているときまばたきが減少していてドライアイになっていたり…とブルーライトとは関係ないと思われる原因が多いのです。

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まとめ

メガネとパソコン

  • ブルーライトは体内時計を整える効果もある
  • 眼精疲労や眼の健康を考えるとき、優先すべきことは他にある
  • 大人は眼鏡を購入する際のオプションとして選ぶことは自由
  • 体内時計を整えるため、就寝前はデジタルデバイスを見ないなどの対策はあり

 

眼科スタッフの一人として

わたしが勤務しているクリニックでは眼鏡処方は原則予約制です。

一人一人で時間枠をしっかり確保して患者さんといろんな会話をしながら患者さんの眼(利き眼、眼位や網膜対応等)やくせを観察し、ニーズを引き出して、その患者さんが眼鏡を作ってよかったと思っていただきたいなと思いながら検査をしています。

わたしはこの時間にやりがいを感じています。検査技術は検査を重ねれば向上していくと思いますが、多種多様なレンズの性質、種類の知識は眼鏡店の方が圧倒的に深いと思います。

眼科で働くスタッフの一人として最新の眼鏡の知識を眼鏡店と眼科で共有しよりよいものを目指していくことが重要だと考えています。

 

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 この記事を監修した人

松井萌珠さん

看護師・視能訓練士(広石眼科医院) / 北九州市出身 2008年看護師免許取得

病院勤務を経て医療法人広石眼科医院入職(現職)。眼科検査の重要性を痛感,勤務しながら九州保健福祉大学で学び2021年視能訓練士免許取得。小児眼科を辰巳貞子先生(小児眼科医)平良美津子先生(視能訓練士)に師事。眼科勤務に邁進しつつ、みるみるプロジェクトアンバサダーとして子どもの眼の啓発活動にも取り組む。

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