失明の原因5つとその仕組みについて紹介 失明原因トップ3とは?
はじめに
今回は、失明の原因とその仕組みについて解説していきます。
「失明の原因は?」 「どうして失明になるの?」 このような疑問を持っている方はぜひご覧ください。
失明になる原因は大きくわけて5つあります。 身近な問題から遺伝子によるものまで幅広いです。 もしかすると失明は、あなたの身にも起こりうる病気かもしれません。
今回は、以下の3点について解説していきます。
- 原因
- 仕組み
- 失明に至る目の病気トップ3
ひとつひとつ丁寧に紹介していきますので、「病気の解説って読んでもよくわからない」と思っている方でも安心してお読みいただける内容となっています。 ぜひ最後までご覧ください。
それでは、失明の原因とその仕組みから解説していきます。
失明の原因とは?失明に至る仕組みとは
失明に至る原因は全部で5つあります。
- 強度近視
- 網膜の異常
- 感染症によるもの
- 角膜への障害
- 脳や神経系の障害
それぞれの失明に至る仕組みについて解説していきます。
強度近視により失明
近視は、進行することにより眼軸(目の長さ)が伸びます。 目の長さが伸びてしまうと、網膜・脈絡膜・強膜といった、眼球を包んでいる3つの壁まで伸びてしまうことに。 この3つが伸びることが失明へとつながっていくのです。
網膜が伸びる
目の長さが伸び、網膜も一緒に伸びるとどのような障害が起こるのでしょうか。 伸ばされ続けた網膜は、薄く・脆くなり、小さな穴や亀裂が生じやすい状態となります。 その結果、硝子体が網膜の下に流入し、網膜が剥がれる原因になるのです。 この状態を網膜剥離といいます。
硝子体は、普段はゲル状なのですが、老化により液状化します。 20代~30代などの若い世代ですと、硝子体の液状化は軽度であるため、網膜剥離の進行は緩やかです。 初期症状として、飛蚊症や目の前がキラキラと見える「光視症」が起こるので早期の受診・治療が大切です。
脈絡膜・強膜まで伸びる
目の長さの伸びがおさまらず、一番外側の壁である強膜が強く伸びると、「後部ぶどう腫」という目の後ろがぽこっと飛び出した状態になることも。 目の後部には、ものを見るときに重要となる「黄斑」という器官が存在します。 後部ぶどう腫になると、黄斑をまき込んでいることも多く、近視性黄斑萎縮といった病気になる可能性も高くなります。 そのほか、網膜剥離や緑内障といった病気を合併することも多いです。
網膜に異常が生じて失明
網膜に異常が生じることでも失明は起こります。 以下4点にわけて解説します。
- 生活習慣病によるもの
- 老化によるもの
- 遺伝子異常によるもの
- 黄斑部にまで生じるもの
生活習慣病によるもの
生活習慣病で起こる失明としては、
- 糖尿病網膜症
- 網膜動脈閉塞症
などがあります。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は糖尿病の進行により起こる病気です。 この病気は、進行すると以下の経過をたどります。
- 網膜のむくみ・出血
- 網膜内の毛細血管が詰まり虚血になる
- 虚血を補うために、網膜や硝子体に新しい血管が作られる(新生血管)
- 3で生まれた新生血管は脆いために、出血しやすい
- 硝子体出血や網膜剥離が起こる
ものを見るときに重要である「黄斑」部分が障害を受けていなければ、初期症状もなく進行していきます。 硝子体出血や網膜剥離など、失明する一歩手前の症状が出てから発見するケースも少なくありません。
網膜動脈閉塞症
網膜動脈閉塞症とは、高血圧や動脈硬化・糖尿病といった生活習慣病が元となり起こる病気です。 以下の経過をたどります。
- 高血圧により、血管壁が厚くなり、血管内が狭くなる
- 動脈硬化などによって血のかたまり(血栓)ができる
- 1の狭い血管に血栓がつまる・またはほかの部分で生じた血栓が血管を塞ぐ(塞栓)
網膜につながる血管が閉塞すると、栄養や酸素などを届けることができないため、突然視野が低下したり、失明に至ることがあります。 閉塞して1~2時間で取り除けない場合、網膜はその後一生機能を回復することができなくなります。
老化によるもの
老化により起こる失明は、網膜剥離が原因で起こります。
老化に伴い、目には以下のような変化が現れます。
- 硝子体の液状化
- 網膜と硝子体の癒着
- 硝子体の収縮
このような状態が引き金となり、網膜剥離に至るのです。
前述もしましたが、硝子体は老化により液化しているため、網膜の下に滑り込みやすく、網膜剥離は急速に進行します。 初期症状が現れたと思ったら、あっという間に失明に至る恐れもあります。
遺伝子異常によるもの
遺伝子異常が原因となり、失明する病気もあります。 その中でも有名な病気は、網膜色素変性です。 失明する原因で3番目に多いとされています。
網膜色素変性は、遺伝子異常が影響して起こるといわれており、難病指定もされています。 光を感じる錐体細胞と杆体細胞が障害され、20~40代といった若い世代で発症する病気です。 数十年かけて少しずつ視力低下・色覚異常(色がわからなくなる)を起こし、失明するリスクの高い病気です。
黄斑部にまで生じるもの
黄斑部にまで病変が進行すると、強い視力低下をきたし、失明に至るケースがあります。 有名なものは「加齢黄斑変性」があります。 老化や嗜好品・食生活の偏り・紫外線といった原因で引き起こされる病気です。
網膜の中には、視神経から出た不要物をお掃除する細胞が存在します。 老化などの原因により、この細胞の機能が衰え、網膜の中に老廃物が蓄積されてしまうのです。 老廃物が蓄積すると、「炎症を起こしている!」と感知して新生血管が生産されます。 新生血管は脆くて出血しやすい特徴があります。 そのため、網膜剥離や網膜下出血になり、最悪の場合は失明に至るケースも。 失明を回避するためには、生活習慣の見直しも重要となってきます。
感染症により失明
ぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)に炎症が生じることで、失明に至るケースもあります。
炎症が起きる原因としては、以下の2点です。 ・自己免疫による攻撃 ・ウイルス・細菌などによる感染
ぶどう膜炎を放置すると、目の中は以下のような状態になります。
- 硝子体が濁る
- 網膜出血や網膜剥離
- 視神経にも炎症が生じることも
- 虹彩の癒着による眼圧上昇(緑内障)
視神経の炎症や網膜剥離・眼圧上昇といった症状は、視力の予後を左右します。
外傷など角膜への障害による失明
「目に固いものが当たった」 「鋭利なものが刺さった」 「薬品が目に入った」 など、目への強い衝撃により、失明へと至るケースもあります。
衝撃の程度により症状や治療法に違いはあります。 受傷の状況がひどい場合は、網膜振盪症や視神経損傷、網膜剥離などの症状が起こることも。 受傷直後の適切な治療によっては、重症化しないものもあります。 目に直接衝撃を受けていなくとも、神経や骨に影響が出ている可能性もあります。 「目の周りだから大丈夫」と思わず、早めの受診することが大事です。
また、コンタクトレンズの不適切な使用も注意が必要です。 コンタクトレンズを長時間使用することにより、角膜の一部が損傷する「角膜潰瘍」という状態になることがあります。 そのまま検査や治療をせずに使用を続けていると、角膜穿孔(角膜に穴が開く)となり、失明に至ります。 コンタクトレンズは、失明するリスクが充分あると考え、使用方法や定期的な検査を遵守することが大切です。
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脳や神経系の障害により失明
脳や神経が障害をうけることで、失明してしまうケースもあります。 失明する可能性のある脳・神経の異常については以下の通りです。
- 脳の異常:多発性硬化症、脳腫瘍、脳血管障害
- 神経系の異常:視神経症、視神経炎、緑内障
脳の異常
脳に異常が生じると、頭蓋内圧亢進という症状が現れてきます。 かんたんにいうと、脳の中で起こった出血や脳腫瘍が、脳をぎゅぎゅっと押していく状態です。
それにともない、以下の症状が現れます。
- うっ血乳頭
- 視神経炎
- 視神経症
目から脳への神経が炎症・圧迫されると、情報が伝達できなくなり、視力に影響が出てしまうのです。 また、目の神経に栄養を送る血管の狭窄や閉塞が起こった場合は、神経が壊死し、失明に至るケースもあります。
神経系の異常
神経系の異常として、一番有名なのは緑内障です。 緑内障ですが、実は眼圧の上昇だけではなく、視神経が脆くなっていることでも起こる病気です。 視神経が脆くなる原因は以下の3点となります。
- 強度近視
- 循環障害
- 房水が循環する出入り口が詰まっており、眼圧が高い
- 房水の循環する出入り口は詰まっていないが、眼圧が高い
このような異常により視神経が圧迫され、視力低下や失明に至るのです。
危険!失明に至る目の病気トップ3
日本人に多い失明原因トップ3は以下の通りです。 第1位 緑内障 第2位 糖尿病網膜症 第3位 網膜色素変性
それぞれの原因や症状について以下の表にまとめます。
原因 | 症状 | |
緑内障 |
・眼圧の上昇 ・視神経の脆弱性 ・視神経の障害 |
・眼痛、目のかすみ、視力低下 ・激しい頭痛、嘔吐 ・視野欠損、失明 |
糖尿病網膜症 |
・糖尿病の悪化 ・硝子体出血 ・網膜剥離 |
・飛蚊症 ・目の前に霧がかかって見える ・視力低下 |
網膜色素変性 |
・遺伝子異常 ・杆体細胞・錐体細胞の障害 |
・暗い場所での視力低下(夜盲、暗順応低下) ・視野狭窄 ・色がわからなくなる(色覚異常) ・失明 |
実は、「失明=加齢とともにリスクが増える」ということではありません。 遺伝子の異常で生じる「網膜色素変性」ですが、早い人では20代で発症する人も。 糖尿病網膜症のように、生活習慣病からはじまる目の病気もあります。 「若いからまだ大丈夫」と思わず、早いうちから目を労る生活を心がけることが大事です。
選択次第で失明を免れることができます
今回は、失明の原因とその仕組みについて解説していきました。
今回紹介した、
- 強度近視による失明
- 生活習慣病によるもの
- 黄斑部にまで異常が生じるもの
- 感染症によるもの
- 外傷によるもの
などは、生活状況や早期受診によって防ぐことができます。
失明に至らないためにも、今ある視力・目の健康を守っていくことが重要です。
- 近視予防に努める
- めがねやコンタクトを使用している方は、定期的な眼科受診
- 目や目の周りに衝撃を伴う損傷があった場合はすぐに受診
などの予防的な行動を取ることが大切です。
目は、寝るとき以外はずっと活動しているたいせつな器官です。 そんなたいせつな器官が使えなくなってしまったら…今後どう過ごしていけば良いのか不安な気持ちになりますよね。 今の状態を保っていけるよう、目の健康意識を高めていきましょう。