片目だけ視力が低下するケースと原因は?その対処法も解説!
日常生活では両目で同時にものを見ているのに、片目だけ視力が低下する…
そんなことはあるのでしょうか。
両目で見ていると気づかないことも多い、片目の視力低下の原因について解説します。
視力が落ちてきたと感じた場合には参考にしてみてください。
片目だけ視力が低下することはある
視力は両目一緒に低下するイメージを持たれている方もいるかと思いますが、実際には片目だけ視力が低下することは少なくありません。
片方の眼球自体に病気が進行している場合や、人にはそれぞれ利き目が存在しているため、利き目を中心として普段から景色などを捉えていると、利き目に大きな負担がかかっているケースも考えられます。
片目だけ視力が低下する原因
片目だけ視力が低下する原因はさまざまですが、病気が原因となっているものと普段からの習慣が原因になっているものが考えられます。
片目だけ視力が低下する原因としては以下の3つなどが挙げられます。
- 片目だけ病気が進行している
- 糖尿病の合併症が起きている
- スマホやパソコンの使い方がよくない
それぞれの原因について詳しく解説します。
片目だけ病気が進行している
片目の視力低下には、以下の病気が考えられます。
- 白内障/老化により水晶体が混濁する
- 加齢黄斑変性症/黄斑部に出血が起こる
- 中心性漿液性脈絡網膜症/中年男性に多く、心身の過労が誘因で黄斑部に浮腫が起こる
参考文献)丸尾敏夫 他.視能学.第2版,文光堂,2011,507
他にも目の病気もさまざまな種類がありますが、急性緑内障発作、網膜剥離などが原因の場合は日帰り手術などが必要になります。
片目だけに見えづらさを感じた場合は、両目で見えていて不便を感じなくても、病気が進行している可能性もあるので、早期の眼科受診をおすすめします。
糖尿病の合併症が起きている
糖尿病網膜症という目の網膜に合併症が起こるケースもあります。自分自身に糖尿病の自覚がなくても知らない間に進行しているかもしれません。
視力の低下や目のかすみが起こる頃には、糖尿病網膜症が著しく進行している可能性があります。
糖尿病網膜症は最悪の場合失明することもあり、同時に糖尿病に関しても治療を進めることが大切です。
スマホやパソコンの使い方がよくない
片目だけに負担がかかると、片目だけ近視が進行することもあります。
たとえばベッドなどに寝転んでスマホやパソコンを使用すると横目でスマホやパソコンを見ることになり、片目だけに負担がかかってしまうのです。スマホやパソコンを近距離で見る時間が長くなると、ピント調節機能が固まってしまい、近視が進行してしまいます。
スマホやパソコンの使用時には、姿勢と距離にじゅうぶん注意して、休憩を挟んで遠くを見る時間を作るなどして、目を休ませましょう。
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まとめ|片目だけ視力低下する可能性はある
片目だけ視力が低下している場合は、日常生活で見えづらさに気づかないこともあります。時々、自分で片目を塞いで、左右の目に見えづらさはないか確認することも大切です。
病気などが原因で片目だけ視力が落ちているならば、適切な治療を受ける必要があります。最悪の場合は失明する病気もあるため、視界に違和感を覚えた場合は早急に眼科を受診しましょう。
【実際の臨床現場では】
日常生活は両目で見て過ごすため、片目だけ視力低下が発生しても「しばらく自身では気づかなかった…」という患者様は珍しくありません。
ベテラン視能訓練士の先輩から「毎朝、起きたときに片目ずつで見て、異常がないか自分で確認する習慣を身につけた方がよいよ」とアドバイスされたことがあります。
誰にでも起こり得ることかもしれません。ちょっとした自己チェックを朝の習慣にしても良いかも知れませんね。
この記事を監修した人
岸川亜洲香(きしかわあすか)視能訓練士
熊本県出身 福岡国際医療福祉学院(現:福岡国際医療福祉大学)卒業
卒後、福岡市立こども病院眼科に入職。尊敬する視能訓練士平良さんから小児眼科を学ぶ。その後眼科クリニックにて小児眼科の経験を積み、出産を機に退職。母親として子育てと仕事を両立し、患者さんや親御さんに寄り添える視能訓練士を目指す。