赤色光が子どもの近視の進行を抑制するって本当?医学的な根拠は?

赤色光が子どもの近視の進行を抑制するって本当?医学的な根拠は?

日頃私たちが受けている光が視力に関係していると知っていましたか。よく視力が低下する要因として、部屋の明るさが足りないということが挙げられるように、光があることでものをよく見れるようになります。

さらに光にも種類があり、赤色光が子どもの近視にも影響を与えると言われています。この記事では、そもそも赤色光とは何か、子どもの近視の抑制に効果があるのか、医学的根拠はあるのかについてご紹介します。

 

赤色光って何?

赤色光とは、私たちの目に見える可視光線の一つで、波長の長さが630nmから770nmの範囲の光のことを指します。

光の色は波長の長さによって異なり、たとえば、スマホやPCの画面から発せられる青色光(ブルーライト)は、430nmから490 nmの範囲の光と定められています。

赤色光は皮膚のより深くまで透過する光と言われており、近年この赤色光の効果を調査する研究が進められています。資生堂の研究では、赤色光には表皮細胞の増殖を促したり、皮膚の炎症を抑えたりする効果があるという結果が出ています。

では、この赤色光は近視の抑制にも効果があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。


赤色光は近視の抑制に効果がある?

赤色光は、近年注目されている光療法の一つです。これは、赤色光を使用して目の健康を保ったり、視力を矯正する方法として注目されており、赤色光はブルーライトとは異なり、目の疲れを軽減する可能性があるとされています。

近視の子どもに対する赤色光の効果については、研究が進行中であり、まだ確定的な結論は出ていません。

一部の研究では、赤色光が目の疲れを軽減し、目の健康をサポートする可能性が示唆されています。しかし、赤色光だけで近視の進行を抑えるという明確な証拠は限られています。


医学的な根拠はあるの?

上述した通り、赤色光による近視の抑制による研究は現在進められている段階で、まだ確定しているわけではありません。

 

日本は赤色光による近視抑制の研究を進めている

海外でも赤色光による近視抑制の効果を発表している研究が多くあることから、日本でも東京医科歯科大学が2022年に、国内ではじめてとなる赤色光による近視抑制の臨床研究をはじめています。

この研究を率先して行っている大野京子教授のグループで、東京医科歯科大学でも歴史ある眼科学の研究室です。

大野教授らは、8歳から18歳までの強度の近視を有する30人を対象に、1日2回3分間赤色光を発する専用の機械を使った臨床研究を実施しています。

この研究では、赤色光が近視を抑えるのに効果があるのか、また安全性は保証されるのかについて1年かけて検証するのです。

「副作用はほぼ報告されておらず、従来の近視の治療よりも高い効果が報告されている。なぜ効果が出るのか詳しいメカニズムも解明し、コロナ禍で急増する子どもの近視の治療に使えるようにしたい」と大野教授らは話しています。

 

中国ではすでに光治療の認可が下りている

中国では2008年から、可視光線を用いる光治療は認可を受けており、中国国内の病院で使用されています。2014年には、赤色光が近視の原因とされる眼軸の延長を抑える効果があるとの報告がありました。

日本では、大野教授らが現在一生懸命研究しているため、日本でも赤色光による光治療が認可されることを期待しましょう。

*参考 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221123/k10013900791000.html

  

屋外で遊ぶ子どもほど近視になりにくい

このように赤色光による近視の抑制については、まだ研究中ですが、屋外で遊ぶ子どもほど近視になりにくいと言われています。台湾で行われた研究では、屋外で活動し、週11時間以上太陽光を浴びた子どもは、近視になりにくいという結果が出ています。

 

外遊びの時間は年々減少している

1981年では一日あたりの外遊びの時間が2時間11分であったのに対して、2016年では1時間12分でした。この数値はあくまでも平均値ですので、外遊びをほとんどしていない子どもも多くいることが読み取れます。

もう少し詳しいデータを見ていくと、2019年に文部科学省が発表した学校保健統計によると、小学生の35%が近視で、そのうちの20%がすでに強度近視の状態という結果が出ています。

 

小学生で視力が1.0未満の子どもは3割以上

2021年の学校保健統計によると、小学生で視力が1.0未満の子どもは平均36.87%で、小学一年生は約23%、小学六年生では約50%です。

この背景には、スマホの普及やコロナ禍の影響など、さまざまな要因が影響しています。子どもたちが屋外で遊ぶことを楽しいと感じていなかったり、感染対策として外出することを避けていたため、こういった結果に結びついているのが現状なのです。

*参考 https://www.mext.go.jp/content/20221125-mxt_chousa01-000023558.pdf

  

子どもの近視を予防しよう

子どもの近視を予防するために親ができることはいくつかあります。近視のリスクを軽減するために、以下のアプローチを検討してみましょう。


屋外で遊ぶように勧める

日光に含まれる紫外線や遠景を見ることは、近視のリスクを低減するとされています。子どもに外で遊ぶ時間を確保し、遠くの景色を楽しむ習慣を育てましょう。


スマホやゲーム機の使用時間を制限する

長時間のスマートフォンやタブレット、ゲーム機の使用は、目への負担を増加させる可能性があります。適切な画面時間を設定し、遠くを見る休憩を取るよう促しましょう。


読書環境を整える

よい照明や適切な距離で本を読むことが重要です。適切な明るさの照明を確保し、本を読む際の姿勢や距離に気をつけるよう指導しましょう。

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定期的に眼科検診を受けさせる

定期的な眼科検診は、子どもの視力の健康を保つために不可欠です。早期に視力の問題を発見し、適切なアドバイスや処置を受けることができます。


栄養バランスの取れた食事を心がける

栄養豊富な食事は目の健康にも影響を与えます。ビタミンAやC、ルテインを含む食材を摂取することで、目の健康をサポートしましょう。


休息と睡眠を十分に取らせる

十分な睡眠と適切な休息は、目の疲れやストレスを軽減する助けとなります。子どもの睡眠習慣を整え、目の健康に配慮しましょう。



まとめ|赤色光による近視抑制は研究中だが、効果があるという研究もある

いかがでしたか。この記事では、そもそも赤色光とは何か、子どもの近視の抑制に効果があるのか、医学的根拠はあるのかについてご紹介しました。

赤色光による近視抑制の効果は、海外の研究では発表されていますが、日本ではまだ臨床研究が行われている段階です。

赤色光による光治療の効果や安全性について、東京医科歯科大学の大野教授らが現在研究を進めていますので、その結果次第では今後赤色光を使った光治療が一般的になることも考えられます。

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