眼瞼下垂とは?原因は何?子どもの場合は特に注意が必要!

眼瞼下垂とは?原因は何?子どもの場合は特に注意が必要!

今回は、眼瞼下垂について!

皆さん、眼瞼下垂と聞いて、
「まぶたが下がってくる」というイメージをお持ちだと思います。
この記事では、
「そもそも眼瞼下垂とは?」
「眼瞼下垂の原因は?」
「子どもの眼瞼下垂は特に注意が必要!」
などの内容を中心にまとめてみました!
眼瞼下垂のイメージ

眼瞼下垂とは?

教科書的には、「上眼瞼が異常な低位を示すこと」と表現されます。1)

これを言い換えて、一般的には、

「まぶた(上まぶた)が下がってくる」と表現されることが多いです。
眼瞼下垂の原因には以下のようなものが挙げられます。

1. 加齢によるもの

加齢に伴って眼瞼下垂が起こります。

少し難しい表現になりますが、年齢を重ねると、上眼瞼挙筋の腱膜という部分に解離・離断・伸展などが起きることによって眼瞼下垂を生じます。1)

2. 眼疾患によるもの

目の病気が原因で眼瞼下垂を生じることもあります。

代表的なものでは、

「重症筋無力症」「Horner(ホルネル)症候群」などが挙げられます。

また、頭蓋内疾患が原因で眼瞼下垂を生じることもあります。1)

3. ハードコンタクトレンズによるもの

ハードコンタクトレンズhardcontactlens

ハードコンタクトレンズを長い期間装用することで、眼瞼下垂が起こりやすくなるとされていますので、「ハードコンタクトレンズの長期装用」が原因となる場合があります。

1)所敬. 現代の眼科学 改訂第12版. 金原出版, 2015 , 82.

※急に生じた眼瞼下垂は早めに病院受診を!

上記で挙げた

「加齢によるもの」

「ハードコンタクトレンズによるもの」は

症状が徐々に進行することも多いですが、

「眼疾患によるもの」は急に眼瞼下垂の症状が生じるケースがあります。

眼瞼下垂の原因を自分で判断せず

気になる場合は、早めに医師の診察を受けるようにして下さい。

子どもでも起こることはある?

「眼瞼下垂」と聞くと、大人に起こるというイメージの方もおられると思いますが、子どもでも眼瞼下垂が起こることはあります!

代表的な疾患は「先天眼瞼下垂」

先天的(生まれつき)に、まぶたを動かす筋肉の発達や神経の発達に異常があり、「生まれつきまぶたが下がっている状態」です。

瞳孔中心にかかる眼瞼下垂は特に注意!

視力の機能は8歳までに完成すると言われています。(下図参照)

amblyopia

※文献によっては10歳までとしている場合も。

つまり、8歳までに「視力の発達を妨げる要素」があると視力の機能が身に付かず、弱視になってしまう可能性があるということ!

 弱視:最高視力が0.8以下のもの。2)

2)丸尾敏夫. 視能学第2版. 文光堂, 2014 , 414.

先天眼瞼下垂のうち、上まぶたが瞳孔中心(黒目の中心)までかかるものは上記した「視力の発達を妨げる要素」となる可能性があるため、見つかり次第、治療が必要になることもあります。(形態覚遮断弱視)

(参考リンク)みるみるネット「弱視の種類」

弱視ってどんな状態?

上記の内容から、弱視とは、

  • 最高視力(1番よい視力)が0.8以下のもの。

8歳までに「視力の発達を妨げる要素」があることによって、

視力の機能の発達が遅れてしまう状態。

【弱視の原因】~臨床現場での弱視治療~

眼科 臨床現場では

私たち視能訓練士は医師と連携し、

親御さんの協力を頂きながら、弱視治療に携わっています。

弱視になる代表的な原因には以下のようなものがあります。

  • 斜視があること
  • 左右眼の目の度数に左右差があること
  • 大きな屈折異常があること(遠視、近視、乱視)
  • 瞳孔中心(黒目の真ん中)を遮るものがあること←今回の記事で題材にした眼瞼下垂や眼帯の長期使用
「上記で挙げた要素がある=弱視になる」ということではありません。
例えば、斜視があったとしても、
弱視に「なりやすいパターン」「なりにくいパターン」があるということ。この辺りの内容はかなり専門的になりますが、
私たち視能訓練士は、日頃、臨床現場で小児の検査をする際には、
「視力の発達を妨げる要素がないかな?」
ということをいろんな角度から注意深く観察しながら、検査を行っています。

最後に

今回は眼瞼下垂についてまとめてみました!

原因を見つけるには眼科を受診して頂くことが一番確実です。

眼瞼下垂に限ったことではありませんが、目の気になる症状がある場合は眼科を受診するようにして下さい!

 

この記事を書いた人

本武 拓真(ほんたけたくま)さん

視能訓練士/国立大学病院で勤務後、現在は個人眼科クリニック(2施設)で勤務中。学会発表、執筆活動の経験多数あり。2021年1月からzoomを用いた視能訓練士オンライン勉強会・相談会を発起、みるみるプロジェクトアドバイザー、SNSでの情報発信など個人での活動も行っている。

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