姿勢反射障害が起きてしまう原因とメカニズム・治療方法などについて解説

姿勢反射障害が起きてしまう原因とメカニズム・治療方法などについて解説

姿勢反射障害は日常生活でバランスを崩してしまったり、バランスを崩してしまったことで転倒しやすくなる状態のことです。姿勢反射障害は大ケガなどにつながるリスクも大きいため、原因とメカニズム・治療方法などについての把握が重要です。治療方法などについてもある程度は確立されていますが、病気などが原因で発症した場合、完治が難しいケースも考えられます。

本記事では姿勢反射障害の原因とメカニズム・治療方法などについても解説するので、普段から転倒などを繰り返す場合には参考にしてみましょう。

 

姿勢反射障害とは?原因とメカニズムについて

姿勢反射障害とは、健常であれば自然に反応できる転倒防止に対して、身体が反応できなくなってしまっている状態を指します。姿勢反射とは、健常な人なら歩いているときや、走っているときに重心を移動してバランスを取る反応です。ほかにも重心の移動だけでは耐えられないと判断した場合、足を踏み出して転倒を防止する立ち直り反射で転倒を防いでいます。

健常な人はこの姿勢反射と立ち直り反射を自然に活用して、転倒しないように総合的なバランスを取って生活をしているのが特徴です。姿勢反射障害になると、この姿勢反射と立ち直り反射をうまく活用できず、転倒しやすくなってしまいます。

 

パーキンソン病など病気が原因のケース

パーキンソン病などの病気が原因となり、姿勢反射障害が起こるケースもあります。パーキンソン病とは、脳の中の神経に異常が発生して起こる病気です。

パーキンソン病は50代から60代以降に発病する傾向にあるのが特徴で、発症してからはゆっくり進行していきます。ドーパミンの分泌量が少なくなっている状態になるため、ドーパミンによる運動調整機能が働かなくなっている状態です。

身体の運動調整ができなくなっている状態であり、どうしても身体のバランスを崩してしまった際に対応が難しくなってしまいます。病気が原因で姿勢反射障害が起きた場合、病気の治療を進めていけば姿勢反射障害はよくなるかもしれません。

 

姿勢反射障害のメカニズム

姿勢反射障害のメカニズムとしては、運動能力の低下が挙げられます。運動能力が低下している影響で、バランスを崩しやすくなっています。

本来であれば、人は自然に重心バランスを取れるように行動しています。しかし、姿勢反射障害が発生していると、バランスが取りにくくなるでしょう。

パーキンソン病が原因の場合は、ドーパミンの分泌量が少なくなっています。それに加えて、運動能力に影響している神経細胞が減少します。姿勢反射障害は、基本的には運動能力の減少と神経伝達能力の減少で起こるため、加齢とともに発生するケースが多いです。

 

姿勢反射障害の症状

姿勢反射障害は、重心のバランスが取れなくなるため、さまざまな症状が現れます。姿勢反射障害の症状としては以下が挙げられます。

  • 身体のバランスが取れないため転倒しやすくなる
  • 歩いているときの方向転換ができない
  • 姿勢を保てないためまっすぐ歩けなくなる
  • 一度歩き出すと止まらなくなる
  • 自分が思っている歩行速度に身体がついていかない

全体的な身体のコントロールができなくなるため、自分で思ったように身体を動かせなくなるでしょう。

 

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姿勢反射障害の治療方法

姿勢反射障害は、病気の進行によって発生するケースや、加齢による運動能力の低下で発生するケースなどが考えられます。姿勢反射障害が発生したケースによって治療方法は異なりますが、代表的な治療方法は以下の2つです。

  • 病気の進行を確認しながら薬物療法
  • リハビリによる運動機能の回復

それぞれの姿勢反射障害の治療方法について解説しますので、運動能力に不安が発生している場合は参考にしてみましょう。薬物投与とリハビリを両方活用しながら対応するケースも多く、自分だけで解決せずに専門家と一緒に取り組むことが重要です。

 

病気の進行を確認しながら薬物療法

姿勢反射障害は病気の進行を確認しながら、薬を服用して様子を見る方法があります。服用する薬物はドーパミンを補うものになります。

ドーパミンによって運動能力を回復させられるだけでなく、パーキンソン病などであれば、症状全体の重症化を防ぐことが可能です。ドーパミンを補う薬としては、ドーパミンの放出を促進させるものもあれば、放出されたドーパミンの作用時間を長くするものもあります。

注意点として、薬物療法は副作用が起こる可能性も考えられるため、体調不良などが発生していないか確認が大切です。

 

リハビリによる運動機能の回復

姿勢反射障害の治療では、リハビリによる運動機能の回復も代表的な方法です。姿勢反射障害が起こってしまうと、自分自身で運動する意欲がなくなってしまう人が多いです。運動する意欲がなくなり運動しなくなると、筋力や運動能力・心肺機能なども低下します。

姿勢反射障害で運動能力が落ちてしまったとしても、リハビリによって低下している運動能力の範囲内で、日常生活を上手に送る方法も身に着けられるでしょう。リハビリは、少しでも早いタイミングから行う方がよいとされています。良好な状態を保ちながら生活を送るためにリハビリは大切です。

 

完全に姿勢反射障害を治療するのは困難

姿勢反射障害を完治させるのは困難であるため、姿勢反射障害が起こった場合は薬物療法やリハビリで進行を遅らせるなどの方法が多くなります。また、姿勢反射障害を起こしてから、すぐに運動能力がなくなるわけではなく、ゆっくりと進行していくので、できるだけ早いタイミングで対応しましょう。

姿勢反射障害を完治できないのであれば、姿勢反射障害とどう付き合っていくかを考えることも重要です。自分だけでは姿勢反射障害との付き合い方を考えるのは難しいでしょう。その際は、専門家に相談して薬物療法とリハビリについて理解しましょう。

 

まとめ|姿勢反射障害との付き合い方を考える

姿勢反射障害が起こった場合は、どのように姿勢反射障害と付き合っていくかを考える必要があります。基本的な治療方法としては、薬物療法とリハビリの2つがあり、どちらも専門的な知識やノウハウが必要です。

姿勢反射障害は日常生活にもさまざまな悪影響が及ぶため、自分の運動能力などについて問題があると感じた段階で専門家に相談しましょう。大切なのはどうやって姿勢反射障害と付き合っていくかを考えることです。

 

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