視力低下は遺伝のせいではなく、「生活習慣」が原因で視力低下するケースも

視力低下は遺伝のせいではなく、「生活習慣」が原因で視力低下するケースも

「子どもの視力低下は、遺伝だから仕方がない…」と諦めていませんか。眼科医のなかでも「近視は、遺伝によっておこる」という意見が一般的です。

でも、研究結果によると子どもの近視の割合は、ここ数十年徐々に高くなってきています。近視が遺伝によるものなら、どの世代でも近視の割合は同じになるはずです。

このことから、多くの近視の原因が遺伝ではないといえるのではないでしょうか。国立遺伝学研究所の井ノ上逸朗教授も、2017年の講演会にて「一般的な近視を説明する遺伝子は存在しない」と話されています。

「遺伝」が原因でないのなら、一体なにが子どもの視力低下に関わっているのでしょうか。また、遺伝が原因ではないならどのような対策をすれば、子どもの視力が低下しないように対策できるかについて解説します。

「遺伝」が原因でないのなら、一体なにが子どもの視力低下に関わっているのでしょうか。

 

視力が低下する原因の多くは「生活習慣」にあった。

視力の低い子どもが増えたころから今に至るまで、子どもをとりまく「生活習慣」は、大きく変化しています。もともと目がよい子どもも、目に負担をかける生活を続けることで視力が低下してしまいます。

目に負担がかかってしまう原因はさまざまです。普段は意識していないような生活習慣であっても、実際には視力低下の原因になっているケースも少なくありません。

そのため、生活習慣を把握できていれば子どもの視力低下を防げるでしょう。ここから、視力低下の原因となる生活習慣について、大きく3つ紹介していきます。

 

1. 長時間、近くを見続ける

長い時間、近くを見続けることは、目のピントを合わせる筋肉に常に力が入っている状態です。この状態では、目が疲れてしまい、近視になる可能性があります。また、姿勢の悪さが、近くを見続ける原因にもなるため注意してみましょう。

目のピントは本来であれば、見たいものとの距離に合わせてピントを調節します。近い距離をずっと見ていると、ピント調節機能が近距離で固定されてしまいます。生活習慣によって近距離で見るようになれば、徐々に視力低下が進んでいくでしょう。

さらに、TVやゲームなどに加えて、子どもが新しいものに興味を持ったとき、近くを見る時間が急に延びることがあります。本を読むのが好きになった、カードゲームやプラスチック製ブロック玩具パズルなどに夢中になったなどが挙げられます。子どもが近距離で楽しむ趣味を持った場合、適切に休憩を取るようにするなどの工夫が大切です。

 

2. 暗いところで見る

目の瞳孔は、暗いと開くようにできています。これは、目に入る光の量を調整するためです。瞳孔が開くと、目の中の水晶体がゆるみます。

近くをみるためには水晶体を縮めないといけないので、暗い場所では、ピントを合わせるための筋肉「毛様体筋」はいつも以上に力をつかうことになります。毛様体筋は使いすぎると凝り固まってしまうため、暗い場所で見ていると目が疲れ、視力低下が起こってしまうのです。

暗い場所でものごとを見るのはオススメできないのに加えて、基本的には明るい場所でものをみる生活習慣を意識しなければなりません。暗い場所でものごとを見るのが習慣になってしまえば、徐々に視力低下につながります。

 

3.普段からの運動で目にキズなどがついている

普段から運動などしている子どもの場合は、目にキズが入っている可能性があります回復するまでに何度も目にキズが入っていると、視力低下につながるケースも考えられるでしょう。目にゴミが入っている状態は、目の環境によくないといえるため、運動が終わった後には目を洗うなど、綺麗にすることが大切です。

ほかにも、日常的に目を擦ってしまう癖を持っている子どもの場合、ふとした瞬間で目にキズが入ってしまうケースも少なくありません。短期的に目にキズが入っているだけなら十分に回復する可能性が高いです。しかし、中長期的にキズがついてる状態であると視力低下の原因となります。

 

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視力低下の原因が病気のケースも考えられる

視力低下の原因が病気のケースも考えられるため、急激に視力が低下してしまった場合は、病気である可能性も視野に入れて考えましょう。視力がいきなり大きく落ちてしまうケースは珍しく、実際に大きく視力が落ちた場合は、病気を疑って眼科に受診することがオススメです。

目の病気として多いのが白内障や緑内障であり、中長期的に放置していると失明などのリスクも考えられます。目の病気は、初期段階なら眼科で適切な治療を受ければ完治する可能性も高いですが、病気の進行具合などによっては手術が必要です。

一時的に視力が低下している場合、一定期間が過ぎれば回復する傾向にあります。自分で視力低下を感じて、なかなか視力が回復しない場合は目の病気を疑いましょう。 

 

視力低下を予防する生活習慣をつくろう!

このように、「見る」時間や、姿勢、部屋の明るさなどによっては、子どもの視力が低下してしまう可能性があることがわかりました。しかし、「生活習慣を変えるってどうすればいいの?」そんな悩みがきこえてきます。

親であっても、子どもをずっと観察するのはむずかしいでしょう。そんな親の代わりに、目に良い生活習慣をつくり、子どもの目を守るアイテムとして「Ai/Glasses」は開発されました。

Ai/Glasses」には、「見る時間の長さ」「距離感」「部屋の暗さ」などを感知して、目に悪影響があるときは、振動ブザーで注意をうながす機能があります。これによって「いまは目によくないことをしているのかも」と、子ども自身で気づくことができます。
Ai/Glasses」を活用して、視力低下の原因を減らして、目に良い生活習慣をつくっていきましょう。 

 

監修本部 千博さん
眼科・統合医療ほんべクリニック院長。日本ホリスティック医学協会顧問。1985年、岐阜大学医学部卒業。協立総合病院で研修後、内科医として勤務。1989年、岐阜大学医学部眼科学教室に入局。2005年、名古屋で「ほんべ眼科」を開業。2018年より医院名を「眼科・統合医療ほんべクリニック」に。「近視は治せる病気である」をモットーに、子どもの近視矯正に注力。親子教室の開催を通じて近視になりやすい行動や生活環境に警鐘を鳴らし、視力に関する情報を積極的に発信している。『眼科医が考案 1日3分あそぶだけ! 子どもの目がぐんぐんよくなるトレーニングゲーム』(PHP出版)など、著書多数。
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