ドライアイとは?原因や分類 現役看護師&視能訓練士が解説

ドライアイとは?原因や分類 現役看護師&視能訓練士が解説

  • 「目が疲れやすくなってきて、目薬を多用している」
  • 「最近、目がかすんだり乾きやすくなってきた」

仕事もプライベートも電子機器の画面を見る事が多くなった現代。パソコンやスマートフォン画面を長時間使用することが増え、「ドライアイ??」と悩み心配を抱える方が増えているようです。

本記事では、 情報が氾濫するなか、「ドライアイとは何か」について、あらためて解説します。ぜひ、最後までご覧ください。


はじめに|ドライアイの現在と今後

ドライアイはわが国では約2,000万人、世界では10億人以上が罹患する最多の眼疾患であり、スマートフォンやタブレット端末などのVDT(visual display terminals)機器が普及し、今後も増加が予測されています。

実際に2011年に行われた研究では、オフィスワーカーのうち65%が ドライアイ確定かその疑いがあると診断されました。

現在もIT化は進んでいるため、 2011年よりもドライアイの患者は増加していると考えられます。

参照:オフィスワーカーを対象にした疫学調査「Osaka Study」ドライアイがもたらす労働性生産性の低下

ドライアイは単に眼が乾くだけではなく様々な要因や自覚症状があり、症状によっては不定愁訴と判断されそのままになるケースもあるようです。

参考文献/Ken nagano:あたらしい眼科 第40巻 第3号 337 2023

ドライアイにはいくつかタイプがあり、それぞれに合った治療、対処方法があります。


ドライアイとは

ドライアイは単に涙の量が不足しているだけでなく、様々な要因により涙液層の安定性が低下し涙液および角膜上皮の慢性疾患であり、眼不快感や視機能異常を伴う病態と定義されています。

(参考文献:標準眼科学14版225)


ドライアイの診断

①涙液層の安定性の低下

・涙液層破壊時間(tear break-up time :BUT)が5秒以下

フルオルセインという染料で眼を染色して、数回瞬きした後に瞬きを我慢してもらい、涙液層が破綻するまでの時間を測定します。

②①+眼症状

  • 眼不快感
  • 眼乾燥感
  • 異物感
  • 眼痛
  • 眼精疲労
  • 視機能異常(視力低下、眩しさ、かすんで見える等)

涙液は1日1.5~2ml分泌され(睡眠中はほぼ分泌されません)角膜表面の乾燥防止、感染防御、抗菌作用、角膜への酸素、栄養補給等の様々な役割があります。

参考文献:視能学第2版16


ドライアイの分類

ドライアイは涙液減少型と蒸発亢進型、水濡れ性低下型に分類されます。


1)分泌減少型(水分の不足)

涙腺の機能低下や破壊などにより、涙液産生量の低下していることによるもの


2)蒸発亢進型(液層に混ざり込んでいる涙の安定に関係する“分泌型ムチン”が不足)

涙液の産生があっても涙液が眼球の表面に留まらずすぐに乾いてしまうことによるもの


3)水濡れ性低下型(角膜上皮細胞の膜にある涙の安定に関係する“膜型ムチン”が不足)

涙液の貯留量や蒸発量が正常範囲にある場合でも眼表面に水分が保持されにくいもの


もしかしたらドライアイかも?!ドライアイチェックシート】

  • 眼が疲れやすい
  • 眼が痛い
  • 目やにが出る
  • 眼がゴロゴロする
  • 理由もなく涙が出る
  • 物がかすんで見える
  • 眼が痒い
  • 眼が重たい感じがする
  • 眼が充血しやすいい
  • なんとなく眼に不快感がある
  • 眼が乾いた感じがする
  • 光が眩しく感じる

5つ以上チェックがついたらドライアイの可能性が高くなります。


ドライアイの考えられる原因

ドライアイの原因と考えられる要素

  • オフィスワーク等の長時間のVDT作業環境による眼の酷使瞬きの減少
  • エアコンによる乾燥
  • 粘膜まで及ぶアイメイクが与えるダメージ
  • コンタクトの装用による瞬きの減少、特にソフトコンタクトレンズの涙液層の菲薄化、摩擦の亢進
  • 点眼薬の防腐剤や刺激
  • 薬剤によるもの(向精神薬等の抗コリン薬、抗癌剤等) …

※上記に留まらず、体質やさまざまな生活環境や生活習慣と密接な関係があることが考えられます。


 ドライアイの治療法

ドライアイの多様な症状に対して、眼科医による点眼薬の処方、涙液の流出を妨げて涙液を溜める目的の涙点プラグ等があります。

代表的な点眼薬


①涙の量を増やす

・ヒアルロン酸(眼科医の処方が必要です)

・人工涙液(ドラッグストアでも買えます)


②涙の質を改善する

・ジクアス点眼液3%(ムチンと水分量を増やす)

・ムコスタ点眼液UD2%(ムチンを増やし、眼表面の粘膜を保護・修復)

 


終わりに

今回はドライアイについてまとめてみました。

今回述べたようにドライアイには分類があり、アプローチもそれぞれ違います。

また、ドライアイは自覚症状と一致しない事も多々あります。本人が「目が乾く感覚がする」と感じても、実は別の原因(メガネの度数が合っていないなど)だったりすることも珍しくありません。

ドライアイの点眼薬の一部はドラッグストアでも購入することができますがそれが個々の分類に合ったものなのかはわかりません。自己判断での購入はお薦めしません。

涙液層破壊時間の測定は眼科で検査できます。眼科を受診して、どのような症状に悩みがあるのか、職場の作業環境などをわたしたち眼科スタッフや眼科医に伝えていただき、自分の症状や診断に沿った適切な治療が受けられるようにしましょう。

 

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この記事を監修した人

松井萌珠さん

看護師・視能訓練士広石眼科医院) / 北九州市出身 2008年看護師免許取得

病院勤務を経て医療法人広石眼科医院入職(現職)。眼科検査の重要性を痛感,勤務しながら九州保健福祉大学で学び2021年視能訓練士免許取得。小児眼科を辰巳貞子先生(小児眼科医)平良美津子先生(視能訓練士)に師事。眼科勤務に邁進しつつ、みるみるプロジェクトアンバサダーとして子どもの眼の啓発活動にも取り組む。

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