視力が子どもの学力に与える影響4選 学習定着率が下がる原因も紹介
視力が学力に与える影響について知っていますか? 子どもの視力低下は社会問題になりつつあり、若い頃に近視を発症することは強度近視のリスクを高めます。 そのほかにも、学力低下、さらには勉強嫌いが加速するという報告も。
「子どもの視力が悪くなってきているけど、学力に影響があるって本当?」 「もしかして、最近の学力低下は視力に問題が?」 という疑問をお持ちの方はぜひご覧になってください。
視力が学力に与える影響は、主に集中力の低下が関係しているんです。 そのほかにも、最近の子どもは、スマートフォンやゲームなど、視力低下を誘発するデジタル端末と近い関係にあります。
そういったデジタル端末と視力・学力の関係についても解説していますので、ぜひ最後までご覧になってみてください。
それでは、視力が子どもの学力に与える影響について解説していきます。
視力が子どもの学力に与える影響とは?
令和2年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の子どもの割合が増えているという結果が出ています。
■参考資料:文部科学省 学校保健統計調査
グラフから、年々視力不良の子どもが増えてきていることがわかります。 そんななか、視力の低下は学力に影響を及ぼす可能性があるという報告も。
視力低下が子どもの学習に与える影響とは?
視力の良し悪しによって、なぜ学力に影響が出てくるのか、原因は以下の4つにあります。
- 集中力の低下
- 思考力の低下
- 勉強嫌いになる
- 学習時間の減少
ひとつずつ解説していきます。
集中力の低下
視力が低下してくると、目を凝らしてものを見るようになります。 そのため、目の筋肉が常に緊張状態となります。 目の筋肉が凝り固まることにより、頭痛や肩こりといった2次的な障害が出るように。 こういった2次的な障害により、 「頭が痛くて、勉強に集中できない」 「肩がこるから、イスにじっと座ってられない」 といった落ち着きのなさが目につくようになります。
授業中もこのような症状が出ている可能性があるので、集中して取り組むことができず、学習に遅れが出てしまうことも。 度の合った眼鏡の装着により、症状が緩和することもあるため、早期発見すること大切です。
思考力の低下
ものが見えないことが続くと、学習意欲も低下してしまいます。 問題を解くことを諦めてしまったり、授業中にぼーっと過ごすことが多くなることも。 「やる気がないのかな?」 と思われがちですが、視力不良のためにそのような行動をとっている子どももいます。 視力不良に気づかずに、「どうして集中してできないの?」と叱ってしまうと、さらなる学習意欲の低下につながります。 まずは子どもの様子を観察し、視力低下が起きていないかをチェックすることが望ましいです。
勉強嫌いになる
黒板の文字が見えない 今日の授業内容がわからない となると、「授業がつまらない」「勉強が全然わからない」といった学習意欲の低下につながり、勉強嫌いになる子も。 教わったことを理解できないまま、授業が進んでいくため、たちまち置いてきぼりになってしまいます。 見えにくいことで、学習意欲がそがれているのだとすると、学力の低下は子どもの能力が十分に発揮できていないだけかもしれませんよね。 きちんと見えることで、「勉強ってたのしい」と思えるようサポートしたいものです。
学習時間の減少
視力の低下により、集中力や学習に対する向上力が低下してしまうと、長く机に向かっていることが辛くなります。 そのため、自然と家庭学習を早く切り上げたり、ぼーっとしている時間が長かったりと学習時間を短縮するようになります。 子どもの学習時間の減少は、遊ぶ時間を確保したいだけではなく、視力低下によることもあるかもしれません。 子どもの「見えづらい」のサインにいち早く気づいてあげることが大切です。
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スマートフォンやゲームの利用も、学力に影響がある?
スマートフォンやゲームなど、近年はデジタル端末がとても身近な存在になりつつあります。 「デジタル端末を長く使っていると、学力が低下するのかな?」 と疑問を持っている方もいると思います。 実は、デジタル端末の中でもスマホについては、長時間の利用によって学力の低下が影響しているという報告もあります。 以下の表は、仙台市標準学力検査における携帯電話やスマホの使用状況と学力(数学の平均点)の関係についてまとめた表です。 折れ線は、1日の勉強時間を表しています。
■参考資料:仙台市標準学力検査、仙台市生活・学習状況調査(中学生の数学平均点) 学習意欲の科学的研究に関するプロジェクトHP
では、なぜ学力に影響があるといえるのか、それは以下の2点が関係しているようです。
- 睡眠の質によるもの
- 視力の低下によるもの
ひとつずつ解説していきます。
睡眠不足の低下による学力定着率の減少
スマートフォンやゲームを夜遅くまで行うと、夜更かししてしまったり、寝つきが悪くなったりと、睡眠の質にも影響が現れてきます。 良質な睡眠は、学習定着率に影響を与えるという報告も。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。 それぞれの睡眠には、以下のように記憶と関連した役割があります。 レム睡眠:記憶・感情などの情報を処理 過去に受けた恐怖などトラウマ部分の記憶 (情動記憶)と関わりが深い
ノンレム睡眠: 自転車の乗り方など一度覚えたら、 定着する記憶(手続き記憶) 言語など一般的な知識の部分(意味記憶) 生きていく中で出会った個人の経験(エピソード記憶) 以上の3つとの関わりが深い
2つの睡眠は、寝ている間に交代で出現し、日中受けたあたらしい記憶と過去の記憶とのすり合わせを行っています。 このとき、日中学習したことが脳内に定着するといわれています。 睡眠時間が削られてしまうと、睡眠周期が狂ってしまうため、その効果を十分に発揮できなくなるのです。
夜遅くまでのゲームやスマホの利用は避けるなど、きちんとルールを設けることが必要です。
視力が低下することによる学力低下
スマートフォンやゲームを長時間使用することで、近視の発症リスクが高まります。 前述しましたが、視力が低下することにより、「見えない」だけではなく、集中力や思考力の低下といった2次的な障害にもつながります。 そのため、視力の低下が学力低下にもつながる可能性が。
しかし、スマホやゲームをすることが学習を妨げているとは一概には言えません。 現在、スマホのアプリやゲームの中でも、学習型のものは多く出ています。 その手軽さや遊び感覚で取り組めることから、学習意欲が向上するという良さもあります。 自分から進んで学習するため、勉強が好きになり、学力が向上する可能性も。
ルールを守った使用により、視力・学力ともに守られる可能性は高くなるのではないでしょうか。
学力を維持するためにも、視力を守ることが大切
今回は、視力が子どもの学力にも影響を及ぼしているのかについて解説していきました。 近年、視力が低下している子どもは明らかに増えつつあります。 その中には、視力低下の影響により、学習に支障をきたしている子どもが存在する可能性もあります。
視力低下が子どもの学習に与える影響は以下の4点です。
- 集中力の低下
- 思考力の低下
- 勉強嫌いになる
- 学習時間の減少
「子どもがすぐに家庭学習をやめてしまう」 「最近勉強がはかどらない」 といった場合、もしかすると視力に問題がある可能性も否定できません。
視力不良や身体の不調がないかを早期に発見し、改善していくことで、学習意欲は回復するかもしれません。
また、スマートフォンやゲームなどは、上手く付き合っていくことでプラスの影響になることも。 ルールを守った使用で、視力の維持だけではなく、学力低下も回避できると良いですよね。
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