コロナでふえたおうち時間。 ゲームやスマホと、どう向き合う?

子どもたちはテレビやスマホ、ゲームが大好き。特に今は、コロナの影響でおうちにいる時間がふえて、デジタル機器がいつも子どものそばにある状態に……。子どもが夢中になっている一方で、視力が低下したり、姿勢が悪くなったりしないか、お父さんお母さんたちの心配は尽きません。

「子どものスマホ・ゲーム依存が、コロナ禍で深刻化しています」と、今の状況を問題視する尾木ママを、AIグラスの開発に関わった子育て中のママたちがインタビュー。スマホやゲーム依存が子どもたちに与える影響や、その対策について語り合っていただきました。

スマホ・ゲーム依存は世界的な大問題。
まずは親が危機感をもつことが必要

尾木ママ
こんにちは。今日はどうぞよろしくお願いします。お二人とも子育て中のママさんだとうかがっているんですけれど、お子さんはおいくつなんですか?

原田
よろしくお願いします。うちは中学校1年生の男の子です。

大橋
うちは3歳になる子がいます。今回は尾木ママに子育ての悩みを直接相談できるということで、とても楽しみにしていました!今、コロナ禍ということもあって、お出かけができずに悩んでいるご家庭がすごく多いなと感じていて。こういった外出自粛が続くことで、子どもたちにはどんな影響が出ていると思われますか?

尾木ママ
そうね。やっぱり外出自粛の影響で外遊びができなかったり、部活がお休みになったりしたから、おうちでスマホやゲームをやったり、動画を見たりする時間が延びているようですね。お二人のお子さんはどうですか?

大橋
うちは自粛期間中に動画を見ることが増えてしまいました。YouTubeやストリーミングサービスの動画は、エンドレスに見続けられてしまうので、少し心配です。

原田
うちの子はゲームが大好きで……。やりすぎないように、気を付けてはいるんですけれども。

尾木ママ
そうよね。子どもたちは動画やゲームが大好きで、依存もしやすいです。でもね、これって決して子どもたちのせいだけではないの。例えばオンラインゲームならね、開発段階から心理学的に、脳科学的に夢中になるさまざまな仕掛けづくりをしているんですよ。だからやめられなくなってしまうのはある意味当然なんです。その分、おうちの人がお子さんの様子をみて、スマホやゲーム機にふれる時間をコントロールしてあげる必要がありますね。

大橋
そっか……。もともと依存しやすい仕組みがつくられているんですね。

尾木ママ
その通り。子どもたちのスマホ・ゲーム依存は世界的にも大問題になっていて、スウェーデンの精神科医が、デジタル機器が心身に与える影響について書いた『スマホ脳』という本は、世界的に大ベストセラーになっています。WHO(世界保健機関)や諸外国では子どもがデジタル機器を使うためのガイドラインを決めていて、子どもたちの成長発達、特に目の健康を守ろうとしているの。例えばアメリカ眼科学会などは「20・20・20」というルールを推奨しています。「20分間デジタル機器をみたら、20フィート(約6m)先を20秒間みる」というルールです。その点、日本はすごく遅れをとっていますね。とくに対策を打ち出さないまま、オンライン授業や外出自粛が始まってしまって、子どもたちがスマホやゲームにふれる時間だけが延びていっちゃってる。おうちの人には子どもの目の健康についてやスマホ・ゲーム依存の危険性などを理解した上で、しっかり対策をとって欲しいですね。

原田
他国では、国がルールを整備しているんですね!知らなかったです。私たちも、気を付けないといけないですね。

 

スマホ・ゲーム依存を防ぐためには
どんな対策をとるのが正解?

大橋
スマホ・ゲーム依存が大きな問題と意識したうえで、親としては子どもが依存してしまわないよう、どんなことに気を付けたらいいんでしょうか?

尾木ママ
まずはおうちでデジタル機器の利用に関するルールを決めることが大切です。子どもたちは夢中になると、食卓や、布団の中までデジタル機器を持ち込んでしまいますから、使う時間や場所を限定するような家族のルールをつくって、使い過ぎないように気を付けてあげてください。

大橋
うちは子どもがまだ小さいので、明確なルールは無いんですが、テレビを見過ぎないようにはしています。エンドレスに見続けられる動画配信サービスではなく、TV番組を見せて、CM中は「トイレに行こうか」と呼びかけるなど、適度に休憩をとれるよう工夫していますね。

尾木ママ
その対策は、とてもいいですね。短い時間でも休憩を挟むことで、自分を取り戻すことができますから。「20・20・20」の考え方にも近いですね。

原田
うちは息子が中学生でゲーム好きなので、ルールづくりは必須ですね。ルールを決めるにあたって、なにかポイントがあればおうかがいしたいです!

尾木ママ
大事なのは家族全員で話し合い、納得したルールをつくって家族全員が守る、ということなの。子どもにスマホはダメ!って言っているのに、自分がずっーとスマホをさわっている親御さんも結構多いわね。これでは子どももルールを守りません。ルールをつくったら、家族全員で共有できるようルールを紙に書いて冷蔵庫などに貼り、常に見えるようにしておきましょう。破ったらそれなりのペナルティを課すようにした方がいいと思います。ルールの内容は家族全員で相談して決めることが大切です。親が一方的に押し付けるのではなく、家族みんなが納得できるルールづくりができるといいですね。ルールは必要に応じて見直し、ブラッシュアップしていくといいですよ。

原田
親が意見を押し付けないことが大切なんですね。うちでは、ゲームは1日30分、宿題を終わらせたら50分まで延長してもいいよ、というルールを決めています。息子はこれのルールに納得して、守ってくれているようなんですが……。

尾木ママ
宿題を終わらせたご褒美として、ゲームをやる時間を延ばしてあげているわけですね。ゲームのやり過ぎは確かに防げますが……。実は、ご褒美としてゲームをやらせたり、動画を見せたりするのは、子育て法としてはよくないのよ。

原田
え!!そうなんですか??!

 

Part 2につづく…

 

プロフィール尾木直樹(尾木ママ)さん
1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、私立海城高校、東京都公立中学校教師として子どもを主役とした創造的な教育を展開。のちに大学教員に転身し、2004年に法政大学キャリアデザイン学部教授、2012年には法政大学教職課程センター長・教授に就任。定年退官後、現在は法政大学名誉教授。『こわい顔じゃ伝わらないわよ 尾木ママの子育てアドバイス』(新日本出版社)など著書も多数。「子育てと教育は愛とロマン」「学校は安心と失敗と成長の砦」が信条。
Next article
子どもの宿題、集中力が続かない……。 もしかして、視力に問題があるのかも?!勉強2021.03.26
Recommend
Category